桑田佳祐が、昨日26日、宮城県・女川町を訪れ、女川駅の特設会場から自らのレギュラーラジオ番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』の公開生放送を実施した。

東日本大震災後、桑田佳祐はすぐに所属事務所のアーティストたちが集まった「チームアミューズ」の旗振り役となってチャリティソング“Let’s try again”をリリースしたほか、半年後の9月10日、11日には震災後、災害で亡くなった方々の遺体安置所となっていた「宮城 セキスイハイムアリーナ」の一般利用再開後初のライヴコンサートにして、桑田本人の病気療養後初の復活ライヴとなった「宮城ライブ」を開催。さらに翌年の3月には同会場の敷地内に桜の記念植樹をするなど、さまざまな形で震災と向き合ってきていた。

今回、女川町の臨時災害放送局「女川さいがいFM」が、本日27日をもって生放送を終了、29日に閉局するということを知った桑田は、臨時放送局であるさいがいFMが終了するということで復興に向けての一区切りとなるこのタイミングに、5年間続いたさいがいFMを労い、被災地の復興祈願のメッセージを送る意味合いを込めて、毎週放送している自身のレギュラー番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』を女川から生放送をすることを決めたとのこと。

当日は女川駅内の日帰り温泉施設「女川温泉ゆぽっぽ」の特設会場にて、通常通り23:00から全国ネットで生放送をしつつ、その模様が女川さいがいFMでもサイマル放送された。応募抽選で選ばれた約50人のさいがいFMのリスナーは「ゆぽっぽで公開生放送を行う」としか知らされておらず、会場に入ってから実際の内容を知らされるというサプライズ企画だったため、桑田が登場するとはち切れんばかりの拍手と歓声に会場が包まれたという。

桑田は、「女川は初めて来ましたがいいところですね。我々の想像がつかないようなご苦労が多々あったと思います」と語りかけ、“勝手にシンドバッド”“いとしのエリー”“明日晴れるかな”などサザンオールスターズの楽曲や自身のソロ曲に加え、女川出身の中村雅俊に以前提供した“恋人も濡れる街角”など全8曲を生演奏。また《今日でお終い店じまい　五年ありがとう　楽しかったわ　いろいろお世話になりました》という歌詞がある、ちあきなおみの“紅とんぼ”を歌い、「女川さいがいFMさん 思い出してね 時々は」と一部替え歌にするなどして、閉局間近の女川さいがいFMへの思いを歌い上げた。さらに「東北のみなさんご苦労は続いていると思いますが、少しずつ歩みを進めていきましょう」などと語り、女川はもちろんのこと、震災で困難が続く各地の方々へのメッセージを何度も発した。