【ライヴレポ】ツアー68本目! ロック暴走機関車・ザ・クロマニヨンズ、大爆走!!

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ザ・クロマニヨンズが、4月20日に全国ツアー「ザ・クロマニヨンズ TOUR JUNGLE 9 2015-2016」の中野サンプラザ公演を行った。RO69では、この模様をライヴ写真とレポートでお届けする。

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最新アルバム『JUNGLE 9』を携え、バンド史上最多の全70公演という呆れるほどのハイパーさで、全国を駆けめぐった「ザ・クロマニヨンズ TOUR JUNGLE 9 2015-2016」も、この日の中野サンプラザが68本目。大阪と沖縄公演を残し、ついに東京最終を迎えた。「今日は来てくれてありがとう。『JUNGLE 9』のアルバムからどんどんやります。最後まで楽しんで行ってください」という甲本ヒロト(Vo)の言葉通り、ロックンロールという魔法の乗り物に乗りこんだオーディエンスたちは、いったんスタートしたら最後まで、誰も止めることのできないグルーヴの連打に浸りながら、全23曲、途方もなくスリリングなサウンドに酔いしれた。ロックンロールのジャングル・クルーズにようこそ! そんな痛快ライヴだった。

開演前に恒例となった前説MCが現れ「ついに今夜、ここ中野の奥深くに眠るという伝説の魔人JUNGLE 9を呼び覚ますときがやってきたぜ! 東京のロケンローピーポーのみなさん、ついてこれますかぁ?」と盛り上げたあと、暗転した場内にプリミティブな太鼓の音が鳴り響くと、真島昌利(G)、桐田勝治(Dr)、小林勝(B)、甲本ヒロト(Vo)が登場。ジャングル奥地のイメージの、うっそうとした樹木の枝垂れ(しだれ)を模したセットが舞台全体を覆い、いやが上でもワクワク感を醸し出す。「ワッハッハッハッハーッ!」の明るいシンガロングを誘発して、会場をスマイルにした1曲目“生活”でスタート。続く“やる人”“ボラとロック”で、ギアをグッとアップさせて加速しながら、ライブ前半は『JUNGLE 9』収録の骨太ロックンロールをガンガン畳み掛けていく。痙攣ダンスで跳ねまくるヒロトと一緒に、生きる欲望を大肯定する“生きてる人間”で「人間、人間」と絶叫コールしたあと、その次に、人間を越えた異形たちをテーマにした“原チャリダルマ”“オバケのブルース”を続けるあたり、ウィットの効いた構成もニクい。ソウルフルなヒロトのボーカルと、マーシー(真島)の情感こもったギターソロが魂を震わせる“俺のモロニー”は、前半のハイライトで、オーディエンスは思い思いに体を動かし、飛び跳ね、声をあげ、すでにグツグツに温まっている。ロックンロールパーティは、もう爆発寸前だ。

「新しいアルバムから全曲やるつもりだけど、それでも30分くらいで終わってしまいます。なので、他のアルバムからもやることになりました」というヒロトのMCでスタートした中盤は、新作を離れた構成。久しぶりな気もする“自転車リンリンリン”のイントロに意表をつかれたあと、“底なしブルー”の強力なブルース・ハープのリフに合わせて《オー サニー ボーイ》の大合唱が会場全体にこだまし、間髪入れず“タリホー”“突撃ロック”“炎”と、怒涛のロックンロールビートの連打に、会場の熱狂も一気に沸点に。《生きてやる 呼吸をとめてなるものか》と、命の鼓動とロックのリズムを重ねあわせて歌う“エイトビート”には、改めて彼らのロック宣言とオーディエンスに対する巨大な愛を感じ、雄大なメロディに胸のすく自由さを味わう。

そしてクライマックスの終盤。『JUNGLE 9』で異彩を放つダークでファンキーな“這う“と、クロマニヨンズの新名曲と言えそうな王道、“今夜ロックンロールに殺されたい”の対比が鮮烈。ハンドクラップとシンガロングを波の中、“ギリギリガガンガン”では、ヒロトがステージ前方に倒れ込み、駄々っ子のように足をバタバタさせて、歌詞の《今日は最高 今日は最高の気分だ》を体で表現。“紙飛行機”そしてラストの“エルビス(仮)”まで、疾風のごとく駆け抜けた火の玉ロックンロールパーティは、爽快そのものだった。

シンプルで、誰でもノることのできるロックンロール。だがザ・クロマニヨンズの手にかかれば、その8ビートが、奥深さと複雑な表情や色彩で立ち現れてくるから不思議だ。エモーショナルなメロディと、腰のあたりを刺激するリズムに背中を押され、ステップを踏むうちに、ロックンロールという魔法の乗り物は、オーディエンスを抱え、途方もない開放感の彼方へ飛び立っていく。アンコールで、例によってTシャツをパンツ代わりにはいて登場し、最後に半ケツまで披露したヒロトが、この日はいっそう「クロマニヨン(人)」に見えたわけだが、大団円の“ナンバーワン野郎!”の大合唱は、歌とロックと生命の原初的エネルギーに触れるような感動的な瞬間だった。(岸田智)

●セットリスト
1.生活
2.やる人
3.ボラとロック
4.生きてる人間
5.原チャリダルマ
6.オバケのブルース
7.夜行性ヒトリ
8.俺のモロニー
9.自転車リンリンリン
10.底なしブルー
11.タリホー
12.突撃ロック
13.炎
14.エイトビート
15.這う
16.中1とか中2
17.今夜ロックンロールに殺されたい
18.ギリギリガガンガン
19.紙飛行機
20.エルビス(仮)

アンコール
1.キンクス・ガット・ミー
2.雷雨決行
3.ナンバーワン野郎!
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