【完全レポ】9mm×フォーリミ×アベンズ、「ツタロック」で3様の「今」を叩きつける!
2016.05.31 17:30
ライブイベント「TSUTAYA Rockn'roll campaign」が、5月19日にTSUTAYAO-EASTで開催された。RO69では、この模様を写真とレポートでお届けする。
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これまでも様々なイベントを企画してきた「TSUTAYA Rockn'roll campaign」ことツタロック。 今年1月もきのこ帝国/go!go!vanillas/Czecho No Republicが出演した「ツタロックスペシャルライブ“3MAN!!”」より新たなイベントシリーズ「3MAN!!」を始動させたが、シリーズ第2回目となる今回=「ツタロックスペシャルライブ“3MAN!!”Vol.2」では、9mm Parabellum Bullet/04 Limited Sazabys/avengers in sci-fiの対バンが実現した。以下、白熱のスリーマンの模様を駆け足でレポートしていこう。
●avengers in sci-fi セットリスト
1.Departure
2.Dune
3.Vapor Trail
4.Tokyo Techtonix
5.20XX
6.Citizen Song
トップバッターはavengers in sci-fi。真っ赤な照明でステージが染まるなか、鼓動のように響くバスドラと歪んだギターが重なりあい、“Depature”へと繋げていく。3ピース編成ながらシンセサイザーやエフェクターを駆使することで独自のサウンドを作り上げている——という書き方をすれば、ドリーミーなポップスやEDMのようなダンスミュージックを想像する人もいるかもしれないが、電撃的でありながらも情報整理の行き届いたこのバンドのサウンドは、ひたすらに快楽や歓喜を目指すものというよりも、人間の寂寞や空虚、それゆえの切実な願いに似た叫びを引き出すようなもの。そしてそれは最新アルバム『DUNE』をリリースしたばかりのバンドの精神性と通じる部分が多い。この日はセットリストの前半にて同アルバムの冒頭3曲をそのままの曲順で披露。今現在の自分たちのモードを粛然と提示してみせたのだった。
●04 Limited Sazabys セットリスト
1.Remember
2.monolith
3.fiction
4.escape
5.Chicken race
6.Now here, No where
7.me?
8.midnight cruising
9.climb
10.swim
続いては、04 Limited Sazabys。息を合わせて音を一発鳴らした直後ドラマー以外の3人がステージ前方へ駆け出す、と同時にオーディエンスもフロア前方へグワッと押し寄せる——という冒頭の光景がこのバンドの止めどない勢いを物語っている。「フォーリミはときどきフォーミリと言い間違えられる」「アベンズのことはリスナーとして大好きなので一緒に出演できて嬉しい」など共演者にまつわるMCも交えつつ、「一緒にライブできますか!?」とフロアに投げかけオーディエンスの感情全開放を促していく。熱量を爆発させるだけではなく、どこかに自分たちを俯瞰する視点とさらなる上昇を狙う渇望感を持ち合わせているこのバンド。フロアが熱狂の渦と化すほど彼らの底知れなさが浮き彫りになるのだが、終盤に披露された新曲“climb”(6月1日リリースのシングルに収録)はまさにそんなフォーリミの性格を映し出した曲だった。
●9mm Parabellum Bullet セットリスト
1.Answer And Answer
2.The Revolutionary
3.Mad Pierrot
4.新しい光
5.太陽が欲しいだけ
6.Lost!!
7.ダークホース
8.Talking Machine
9.生命のワルツ
そしてトリの9mm Parabellum Bulletは、冒頭数曲で早くもフロアはもみくちゃ状態。バンドが繰り出す音が一つ残らずオーディエンスの心の着火剤として機能していることがよく分かるし、歓声を上げるオーディエンスのことを見渡しながら頷く菅原卓郎(Vo・G)をはじめ、メンバー自身もこの場を大いに楽しんでいるようだ。2008年にこの会場で行われたTSUTAYA RECORDSの主催イベント「GO OUT!」(凛として時雨、the telephonesとのスリーマン)のことも振り返りつつ、「何が言いたいのかっていうと、『最高の夜にしようぜ!』ってよく言うけど本当に最高にしたいのは今日じゃなく明日なんだよ」と語る菅原。そのあと演奏された“太陽が欲しいだけ”(最新アルバム『Waltz on Life Line』収録)、バンドが抱える不屈の精神によって会場の熱狂が上塗りされていく様子には、思わず胸が熱くなってしまった。ラストの“生命のワルツ”まで、バンドもオーディエンスもリミッター完全解除状態で互いに挑んでいくような快演を見せてくれた。
――と、全3組がそれぞれのやり方でバンドの「今」を伝えたこの日のライブ。どのバンドのことも全力で楽しみ尽くそうとするオーディエンスの雰囲気も含め、最初から最後まで清々しさと充実感に満ちた夜だった。なお、全国のTSUTAYAでは今回出演した3バンドの音源を収録したスプリット盤『3MAN’S SPLIT e.p.』がレンタル限定盤としてリリースされているとのこと。この機会にぜひチェックしてみてほしい。(蜂須賀ちなみ)
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