【完全レポ】飛び入りコラボも実現! Ken Yokoyama、リキッドでサンボマスターを迎え撃つ

【完全レポ】飛び入りコラボも実現! Ken Yokoyama、リキッドでサンボマスターを迎え撃つ

Ken Yokoyamaが、7月5日に恵比寿リキッドルームでマンスリーライブ「Rumble Of The Month」をゲストにサンボマスターを迎え開催した。RO69では、この模様をロングレポートでお届けする。

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5月は東京スカパラダイスオーケストラ、6月はCrossfaithを迎えて行った、Ken Yokoyamaの平日限定マンスリーギグシリーズ「Rumble Of The Month」の7月バージョン、場所はリキッドルーム、ゲストはサンボマスター。ちなみにファイナルの8月は新木場スタジオコースト2デイズで、両日ザ・クロマニヨンズ、あと1日目OKAMOTO’S、2日目WANIMAの出演が決まっている。

まずサンボマスター。ステージに現れ、1曲目を始める前にああだこうだと山口隆(Vo. /Gt.)がしゃべるのがこの人たちの定番スタイルだが、今日は「……いらっしゃるんだよ、あの方が」「……名前、言わせんなよ」「一緒に写真撮ってくださいって言っちゃったよ」などと、今日ここに呼ばれたことの喜びや戸惑いや歓喜やビビリなどをいきなり吐き出し放題吐き出してから、“ミラクルをキミとおこしたいんです”でスタート。
“光のロック”“美しき人間の日々”とライブアンセムをたたみかけ、新曲“ラブソングはパンクナンバー”(というタイトルらしい)へ。めちゃめちゃ盛り上がったところで、亡くなってしまった「君」へ向けて歌うバラード“ラブソング”をどっぷりと聴かせ、またエンジンかけて“可能性”“できっこないを やらなくちゃ”で温度を戻し、最後の“世界はそれを愛と呼ぶんだぜ”で沸点を迎えて終了。という、あっという間の約60分だった。フロア、終始、怒号のような歓声が飛び交っていて、すごいウェルカム状態だった。

そしてKen Band。ベースのJun Gray御大は「VOTE(投票)」とでっかくプリントされたTシャツ姿、横山健はさっきもらったというサンボマスターのTシャツを唐草模様の風呂敷に包み、背負って登場。「サンボあいつら頭おかしい、でも俺も頭おかしいおじさんだ!」と、サンボに最大級の賛辞を捧げ、おなじみのサイン入りまくり「We Are Fuckin’ One」日本国旗を掲げ、「ここに書いてある文字を読んでくれるか? ウィー・アー・ファッキン・ワン! この曲で始めるよ!」と、1曲目に突入。フロア、あっという間にものすごいことになる。って、いつもか。いや、これ、いつもよりさらにものすごくないか? とか思っていたら、1曲目が終わったところでいきなり中断。ステージ前の柵が壊れたそうです。やはり。

その処置の間、横山健、“Lovin’ You”(ミニー・リパートン)など弾き語りで2曲くらい歌って場をつないでから、“Sold My Soul To R 'N R”で再開。
そこからはもう、あっという間だった。途中でリクエストに応えたりしたので、たぶん20曲近くやったんじゃないかと思う。基本的に曲をつなげないで1曲ずつ切るし、その合間に何度も言葉をはさむし、お客の声に答えたりもするし、今日初めて人前で弾くという、できたばかりのグレッチの横山健モデルを披露したし……つまり、キビキビと曲をプレイしていくステージではなかったのに、体感における時間経過の速さ、ものすごかった。音とか曲とかいう以前に、横山健の意志に押し流されていくような時間だった。激流。
“Sucky Yacky”をやる時は、ソデで観ていたサンボ山口が呼び込まれた。お客の声に応えて「じゃあリクエストタイムにしようか」と言い、「“道なき道”ー!」という声を受けて「♪うらまーずにー」と冒頭のアカペラ部分を歌ったと思ったら、5月のPITでスカパラと一緒にやった“星降る夜に”のKen Bandバージョンに突入したりもした。その時のフロアの沸騰っぷり、すごいもんだったし、「お待たせ、みんなのいちばん好きな曲をやるよ」という言葉で“I Wont’t Trun Off My Radio”が始まった時の狂乱ぶり&歌いっぷり(というより叫びっぷりだな)もすさまじかったし、後半の大詰めのタイミングで“Believer”が投下された時の爆発っぷりも、もうえらいことだった。

というように、おそろしい熱量の歓喜が何度も襲ってくるステージだったが、ただし、「興奮でもうわけわかんなくなります」というものではなかった。今、横山健が何を考えているのか、何を感じているのか、何を伝えたいのか、ということなどが、すごくクリアに理解できる気がした、観ていて。「だからこの曲」「だからこういうプレイ」「だからこういう歌い方」「だからこの表情」「だからこのギター」「だからこのTシャツ」くらいまで、その必然がいちいちわかるようなステージだと感じた。

横山健は、曲が始まる時や曲の途中に、自分のマイクをスタンドから外してフロアに放り投げる。この日も何度も放り投げた。ステージスタッフはたまったもんじゃないと思うが、あれ、なんか好きだ。「お客にマイクを預ける」というのはいろんなミュージシャンがやっているが、あの放り投げて渡す感じ、観るたびに何かいい気分になる。(兵庫慎司)
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