ジェイムス・ブレイクがSpotifyのオリジナル番組で、自身が参加したビヨンセの新作『レモネード』におけるコラボレーションや、ドレイクの“0 to 100”についてサンプリングを断った経緯などを語った。
ジェイムスによれば、『レモネード』に収録されている“Forward”の作曲にあたって、ビヨンセ側からブレインストーミングのためスタジオに呼ばれたという。そして、そのときに歌詞をもらったものの、その歌詞を一切無視して全部自分の歌詞に入れ替えたといい、ジェイムスはそのことについて以下のように語っている。
「結局スタジオにはエンジニアと僕だけになったんだ。エンジニアがいくつか曲をプレイしてくれたんだけど――それはなんていうか、何かの始まりのような――それで僕はその曲と全く逆の歌詞を書いたんだ。僕は他人が書いた歌詞を歌ったことがなかったし。だから、僕がやるようなことじゃないなと思っていたんだ。
で、自分のスマホを取り出して、全然別のことなり他の人のことなり、それらについて僕が書いた歌詞を乗せて歌ったんだ。でもなぜかそれが曲にも合っていたし、アルバムにも寄り添う感じだった。だからビヨンセ側がそれを使ってくれたことを光栄に思っているんだ」
ジェイムスはさらにこのコラボで「1曲まるごと聴きたかったから、ビヨンセともっと組みたいと思った」と語った(“Forward”はアルバムの中で一番短い曲)。自身も“Forward”の反響に驚き、このコラボ曲が自身のアルバム『ザ・カラー・イン・エニシング』 の一番の宣伝になると感じたという。
また、ジェイムスは番組中にドレイクとのコラボについても以下のように語った。
「ドレイクに何かコラボできないかと思って以前に曲をいくつか送ったことがあるんだ。で、“0 to 100/The Catch Up”が発売される前日に『たぶん4年くらい前に送ってくれたビートの一部を使いました。これでよかったら連絡下さい』とメールが来たんだ。っていうか、コラボのアイデアであって、アルバムのサンプルに使ってもらうために送ったんじゃなかったから、いや、だめです、みたいな。で、ドレイク側に使わないようにしてもらったんだ。
パブリッシャーと後で話したのを覚えてる。あのときの僕の決断、どう思う?って。だってドレイクのあの作品は圧倒的でしょ。あそこでいったいどれだけのお金を僕は失ったんだろうかと訊いたんだけど、飲んでいた飲み物を噴き出すくらいだったよ。でもある程度の機会を得るか、(僕の作品が)ちゃんとした方向にたどりつけばもっとお金をもうけることができたはずなんだ。もちろんちょっと後悔した、だって曲は良かったし、ドレイクの曲にも合ってたしね。
だけどまあ、道徳上の原理に基づいてやったものだから。もしドレイク側が(前日より)すこし前に僕にこれをとても使いたいのですが、どう思われますかってきてたら、たぶん、いいですよって言ったと思うんだ。
多大な影響やグローバルなプラットフォームがあるからって、僕はそんなのクソ食らえと思うんだよね。僕はいい音楽を人と作っていきたいだけだし、あの曲も良かった。でもね、僕に先に訊けよって感じ。まあ、でももう終わったこと。どちらかといえば、あの曲は良かったし、リリースされてもよかった。まあでもあの時の決断を後悔はしていないよ。あの曲の1バージョンがリリースされた後、なんでアルバムに入らなかったかといえば、そういう理由なんだよ」