デヴィッド・ボウイの新たなボックス・セットが発売されることが判明した。昨年リリースされれた『ファイヴ・イヤーズ 1969-1973』に続く本作は『Who Can I Be Now? (1974 – 1976)』と題され、さらなる詳細やリリース日などは来週発表されるという。
現時点で判明しているのは、『The Gouster』という未発表のフル・アルバムがセットに含まれており、当アルバム用に行われたフォトセッションから、こちらも未公開の写真がカバーに使われることだという。『The Gouster』は最終的には1975年の『ヤング・アメリカン』となってリリースされることとなった。トラックリストはこちら。
Side 1
1. John, I’m Only Dancing (Again)
2. Somebody Up There Likes Me
3. It’s Gonna Be Me
Side 2
1. Who Can I Be Now?
2. Can You Hear Me
3. Young Americans
4. Right
また、ボックス・セットにはトニー・ヴィスコンティがライナーノーツを寄稿しているとのことで、その一部抜粋は以下の通り。
「Gousterという言葉は僕にはなじみのない言葉だったんだけど、60年代にシカゴのアフリカンアメリカンのティーンが着ていたタイプのドレスコードだとデヴィッドは知っていたんだ。でもアルバムの文脈からしてその意味は、プライドとヒップさというアティテュードにあった。レコーディングした全ての曲の中からこのアティテュードを表現するアルバムのために選んだ曲に、僕らは心を奪われたよ。
僕と同じように、デヴィッドは長いことソウルに心酔していた。二人ともテレビの『ソウル・トレイン』のファンだったんだ。僕らは”若くて才能があってブラック”ではなかったし、まったく狂ってるけど、どうしても最高のソウル・アルバムが作りたかった。でも僕らの前にはライチャス・ブラザーズのようなパイオニアがすでにいたんだ。
それで『The Gouster』は、デヴィッドの傑作である1972年のシングル“John, I’m Only Dancing”の、突拍子もなくて新しくて奇妙なバージョンを作ったところから始まったんだ。この時点ではこのバージョンはハーレムの屋上のパーティで演奏されたような感じで、デヴィッドはタイトルに(Again)を付け足したんだ。オリジナルみたいに2分半の尺もなかった。
それを実質7分まで持っていったんだ! ヴァイナルの尺制限(1面18分以上だと大幅に音量を下げないといけない)のせいで、1面には他に2曲しか長い曲が入らなかったんだ。“Somebody Up There Likes Me”と“‘It’s Gonna Be Me”で、どちらも6分半くらいある。でも僕らは20分の記録を出したよ。技術的にうまくいったのは、“It’s Gonna Be Me”に静かな部分が多くあったおかげでレコードの溝を問題なくもっと細く作ることができて、それによって音量のスペースを保つことができたからなんだ。
2面も“Can You Hear Me”の静かな一節のおかげで、20分の記録ができたんだ。40分に及ぶ素晴らしいファンク、それこそがそこで起きていたことで、それこそがそうなるだろうと僕が思っていたことだったんだ」