「怖い世界観だけではなくて、すごく前向きになれる、ヒントになるものもこの『東京喰種』には隠されていると思うんですよね。人間で本当によかった、生まれてきてよかった、まわりに支えてくれる人がいてよかったなって、すごく感謝の気持ちに繋がった部分もありました」
原作のある作品を演じる場合は、何度も原作を読み返すという窪田。今回も映画で描かれている部分をひたすら読み込みながら、原作の細かいシーンまでなぞって演技する感覚をもちつつ、演じるからには何かを残さなければならないという想いもあったと語る。そうした葛藤を抱えながらカネキを演じた窪田は、カネキの半喰種としての悩みに共感するところもあったという。
「自分が何者なのかわからないっていうところでのカネキとの共感もあったかもしれないです。僕も、20代前半のときよりはまだ自分のことを見られるようになってるつもりではあるんですけど、実際に自分が今どういう状態にあるのかを客観的に見るのは難しいですよね。もっと自分を知っていく作業は今後も必要だとは思いながらも、そのあたりでカネキと通ずるものはあるのかなと思います」
世界規模でも公開を予定している『東京喰種』は、新しい試練が課された作品だったと振り返りつつも、自分に足りないものを補ってくれた作品として感謝が絶えないと語る窪田。彼の役にかける真剣な思いと、作品に対する真摯でひたむきな気持ちが伝わる必読のインタビューだ。『東京喰種』のダークな世界観を表現した撮り下ろしフォトも必見。