【完璧予習】現代の「新巨匠」C・ノーラン監督最新作『ダンケルク』を観るべき5つの理由

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『ダークナイト』、『インセプション』、『インターステラー』などの傑作でおなじみ、現代の“新巨匠”クリストファー・ノーラン監督。

その待望の最新作『ダンケルク』が7月21日に全米で公開され、週末興行ランキングで2週連続ナンバー1になるなど、今年の夏シーズンを代表するヒット作となっている。批評家たちの評価もほとんどが絶賛で、ちょっと気が早いところでは「来年のアカデミー賞レースで、フロントランナーに躍り出た!?」といった声まで上がり始めているほどだ。


今回の新作『ダンケルク』の注目点は、まずやはり何と言っても、ノーラン監督にとって初めての「実話」を基にした作品となっていること――物語の起点となるのは、1940年、フランス北端の港町ダンケルク。ドイツ軍に追い詰められた英仏連合軍(約40万人)の兵を救出するため、駆逐艦や民間の小型船までも総動員する、史上最大の撤退作戦が幕を開けるのだけど……。あのノーラン監督が「第二次世界大戦」という壮大なテーマをいかに料理するのか? そこでは一体どんな新境地が切り開かれるのか?

しかし、「実話の映画化」という新たなチャレンジに挑んでいるからと言って、ノーラン監督がこれまでの作風をガラッと封印してしまったかというと、そんなことは全くない――むしろその逆で、今回の『ダンケルク』は、圧倒的な映像表現においても、ケタ違いに壮大なスケール感においても、彼がこれまでの監督作で積み上げてきた「ノーラン美学」の集大成と呼ぶにふさわしい作品だ。

『ダンケルク』の日本公開は、9月9日。まだ少し先ではあるけど、これからの1ヵ月間、彼の旧作映画を順に観直しながら、その「Xデイ」を楽しみに待ちたい! というファンの人もきっと多いはず。

そこで今回は、ノーラン監督のこれまでの偉業を「5つのポイント」にまとめて振り返りつつ、合わせて、新作『ダンケルク』の見どころも整理していくことにしよう。

1.多層的なストーリー構造

ノーラン監督の映画では、物語が「シンプルな直線」で進んでいくことは、まずない。出世作となった『メメント』では、10分しか記憶が続かない男の物語が「完全逆回転」な時間軸でつづられていたし、その後の『インセプション』や『インターステラー』では、通常の「時間」や「空間」の概念をはるかに超越した「多層的」なストーリーテリングが大胆に導入され、世界中の映画ファンの度肝を抜いた。ノーランの映画では、物語の「語り」そのものが、観客への「知的なチャレンジ」の一部なのだ。

今回の『ダンケルク』は実話を基にしている映画だが、その語り口は、やはり大胆不敵だ。広大なエリア内で繰り広げられた撤退作戦の「全貌」に肉迫すべく、ノーラン監督は「陸・海・空」という3つの異なる空間の視点を導入。それぞれの場所での出来事を多角的なタイムラインによって再現していく。

当初はまったく繋がってないそれぞれの物語が、映画が進んでいくにつれ、いかに交錯していくのか? これぞまさにノーラン・マジックの真骨頂!

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2.リアルへのこだわり

露骨なCG映像を嫌うノーラン監督は、「質感のリアルさ」を追求するため、これまでに多くの伝説を打ち立ててきた。
『ダークナイト』3部作では、バットマンの乗り物=バットモービルの走行シーンを撮るに当たり、「実物大」のバットモービルを組み立て、実際に道路で爆走させたり、『インセプション』の有名な「無重力ホテル」のシーンでは、やはり「実物大」の廊下セットを丸ごと360度回転させながら撮影したり……失礼な言い方をあえてさせてもらうなら、「リアルバカ」と言ってもいいくらい、徹底的にリアルにこだわる監督なのである。


今回の『ダンケルク』は、第二次世界大戦中の史実を基にしていることもあり、ノーラン監督は当時の状況を記した文献や記録映像などを、撮影前にリサーチ。映画の中に登場する武器や銃や軍服などのディテールにも徹底的にこだわっている。特に、戦闘機の飛行アクション・シーンでの圧倒的なリアリズムと、そこから生まれるド迫力の臨場感は、これまでの戦争映画の常識を覆すほどの未知なる興奮をもたらしている。

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