ハリソン・フォード主演で1982年に公開されたSFアクション映画の金字塔的な名作『ブレードランナー』。その待望(なんと35年ぶり!)の続編『ブレードランナー2049』の日本公開が、いよいよ1ヵ月半後に迫ってきた。前作の監督リドリー・スコットは「製作総指揮」の立場に回り、代わりに新監督に抜擢されたのは『ボーダーライン』『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴだ。
徹底した秘密主義のせいもあり、まだまだ謎のべールに包まれたままであるこの『ブレードランナー2049』の全貌。とは言え、予告編などを通じ、少しずつ見えてきた部分もある。ここでは、現時点(9月11日)でわかっている情報をまとめておこう。
【圧倒的な映像美✨新予告を解禁】 舞台は2049年。#ハリソンフォード 演じるデッカードは追われ続けていた❢❓”レプリカント”との闘いは新たなステージへ―。
— 映画『ブレードランナー 2049』公式 (@bladerunnerJP) 2017年7月18日
『 #ブレードランナー2049 』10月27日(金)公開
#ライアンゴズリング #ドゥニヴィルヌーヴ pic.twitter.com/5dxWXUe0B7
○その前に……そもそも『ブレードランナー』とは?
1982年に公開された『ブレードランナー』は、主演ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング、監督リドリー・スコットのSFアクション映画。原作はフィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(ただし、実際にはかなり違うトーンのお話になっているけど)。
物語の舞台となるのは、環境破壊が進み、富を持つ者たちは地球外のコロニーへと居を移している「2019年」の地球。宇宙開発の最前線では「レプリカント(※遺伝子工学によって誕生した「人造人間」の呼び名)」たちが過酷な労働を担っていたが、その一部に感情が芽生え、人間社会に紛れ込もうとするケースが発生。そんな「欠陥レプリカント」を探し出し、処刑するのは、ブレードランナーと呼ばれる専任捜査官の仕事だった。
そんな中、最新型のレプリカント「ネクサス6型」の一団が人間を殺害し、逃走するという事件が発生。人間社会に潜伏した彼らを見つけ出すため、一度はブレードランナーの仕事を辞めたデッカード(ハリソン・フォード)が呼び戻されるのだが……。
過去のSF映画の「明るくクリーンな未来」とは違い、カオスな未来都市像を捉えた斬新な舞台設定。孤独な男の哀愁漂うダーク・ノワール風の物語。「記憶」や「A.I.の自己認識」をめぐる深遠なテーマ。そして、一度聴いたら耳に残り続けるヴァンゲリスのシンセ・サウンド……のちのSF映画/アニメ/漫画/ゲーム作品にも多大な影響を与えた『ブレードランナー』は、今観直しても決して古びていない。人生で一度は観ておきたい真の名作だ。
https://www.youtube.com/watch?v=WYhEZn3S1IA
●『ブレードランナー2049』では何が起こる!?
――予告編から見えてきたプロット&注目キャラ
○新旧ふたりのブレードランナーが織り成す、新たな物語
『ブレードランナー2049』の時代設定は、前作『ブレードランナー』から30年後の「2049年」。数十前年に起こった核爆発事故や、雨や雪が続く異常気象のため、ロサンゼルスでは深刻な食糧危機が発生。人々の生活は、以前にも増してカオスな状況となっている。
そんな中、主人公の若きブレードランナーのK(『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリング)は、人類の存続に関わる重大な秘密をたまたま知り、隠された真実を暴くため、その鍵を握る男、すなわち30年前からずっと行方不明であるデッカード(ハリソン・フォード)を探し出すのだけど!?……というのが、公式に明らかにされているプロットだ。
Kが追いかけている謎は、どうやらデッカードの過去と深く関わっているらしい。しかし、なぜデッカードは30年間も「逃亡者」として生きなくてはいけなかったのか? そして彼を追い続けているのは何者なのか?
○注目すべき新キャラは?
主人公のK以外にも、『ブレードランナー2049』には多くの気になる新キャラクターが登場する。
中でも最大の注目は、ジャレッド・レトが演じる「盲目」のカリスマ的指導者のウォレス。食糧危機発生後の世界で「強大な権力」を手にしている彼は、どうやら新種の高性能レプリカントの開発者でもあるようだが、一体その目的は何なのか? 『スーサイド・スクワッド』でジョーカー役を演じたレトの「メソッド・アクティング全開!」な迫真の演技にも、かなり期待できそう。
そのほか、予告編に出てきた新キャラクターは、以下のとおり。
・ロビン・ライトが演じるKの女上司
・デッカードの居所を知っているモートンという男(デイヴ・バウティスタ=『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のドラックス役)
・シルヴィア・フークスが演じるウォレスの手下。動きがレプリカントっぽい!?
・ジョイ(JOI)という名の美少女(アナ・デ・アルマス)。予告編の中では、Kと恋仲の関係であると同時に、ホログラムや広告看板など「さまざまな形態」で登場している(予告編1:04、1:18、1:41など)。彼女はこの世界のスター・モデルなのか? それとも……やっぱりレプリカント!?
一方、旧『ブレードランナー』組のキャラクターの中では、警察官のガフ(エドワード・ジェームズ・オルモス)が出演することも確定。登場シーン数は少ない(1シーンだけ?)と報じられているが、前作のユニコーンに続き、今回もまた「折り紙」シリーズの新作はあるのか!? 乞うご期待!
○気になる「あの問題」の決着は?
前作の『ブレードランナー』には、はっきりした答えが出ないままの問題がいくつかあった。その中でもファンの間で特に熱く議論されてきたのは、「ハリソン・フォード演じるデッカードは、人間なのか? それともレプリカントなのか?」という問題だ。
リドリー・スコット監督が「レプリカント説」を主張する一方、ハリソン・フォードをはじめ、他のスタッフの間では「人間説」も根強く、いまだにはっきり結論が出ていない。今回の『ブレードランナー2049』では、この長年の議論についにケリがつくのか? 新たな物語の行方と合わせて、こちらの成り行きにも注目だ。(内瀬戸久司)
【待望のインターナショナル版TVスポット解禁✨】
— 映画『ブレードランナー 2049』公式 (@bladerunnerJP) 2017年8月22日
2049年、世界を支配するのは人類か、レプリカントか―
映画『#ブレードランナー2049』10月27日(金)公開!https://t.co/0aMs3wkp1u#ハリソンフォード #ライアンゴズリング #ドゥニヴィルヌーヴ pic.twitter.com/dsyUKFysOo
映画情報
『ブレードランナー2049』(原題:Blade Runner 2049)
上映時間163分/10月6日全米公開
10月27日(金)全国ロードショー
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント