Apple Musicのジミー・アイオヴィン、ストリーミングの内情と今後を語る

Apple Musicのジミー・アイオヴィン、ストリーミングの内情と今後を語る

かつてインタースコープ・レコードやビーツ・エレクトロニクスを創業し、現在はApple Musicの重役を務めているジミー・アイオヴィンが「Billboard」のインタビューに答え、ストリーミング・サービスがさほど収益が上がる構造にないという事実について語っている。

「Billboard」が発表したデータによると、2017年上半期の米音楽業界での売上は前年比17パーセント増の40億ドル(約4545億円)を記録。ストリーミング・サービスの有料会費収入が50パーセント増加したことがこの成長を支えたと言われており、有料会費による売上は40億ドルのうちの25億ドル(約2840億円)を占めているのだという。

しかしジミー・アイオヴィンによるとストリーミング・サービス自体は「利益率が低すぎて収益が上がっていない」のだといい、ストリーミング・サービスの収益を収入源として当てにすることは危険だと指摘している。

現在、ストリーミング・サービス市場で大きなシェアを占めているApple、Google、Amazonは、もちろんストリーミング以外でも大きな収益を得ている。しかしストリーミング・サービスのみを運営しているSpotifyに関しては、いずれストリーミングを実質的に収益の上がる構造に変えていかなければならなくなるだろうと次のように述べている。

ストリーミング・サービスの状況は悪くて、利益率が低くて収益が上がってないんだよ。でも、Amazonはプライム・サービスを売ってるし、Appleは電話やiPadを売ってるよね。でもSpotifyの場合はこの先、ストリーミングの顧客に何か別なものも買わせなければならなくなる。

たとえば明日の朝、(Amazonの代表の)ジェフ・ベゾスが急に「昨日、夢で7ドル99セント(約890円)っていうお告げがあったんだ」っていきなり言い出して、「どういう意味なのかわからないんだけど」とか話したところで誰かが「それ、音楽に使ったらどうですか?」なんて提案しちゃったら、それこそ(収益割れで)とんでもないことになっちゃうよね。

ストリーミング・ビジネスっていうのは、いいビジネスじゃないんだよ。大企業は別にそれでも平気だ。Amazon、Apple、Googleとかね……こうした会社のビジネスの全体の中ではほんの小さな部分だからなんとかなるんだけど、Spotifyだけは単独業態だからね。連中はこれが本当に収益に上がるビジネスにしていかなきゃならないんだよ。


そして、その解決の糸口はオリジナル・コンテンツをどれだけ持っているかどうかにあると次のようにも説明している。

たとえば、Netflixにはあれだけオリジナル・コンテンツがあって、それで月会費11ドル99セント(約1340円)になるわけだよ。でも、音楽についてはもうみんななんでも持ってて、なおかつ無料で聴けるものもある。

しかも、ほとんどの曲がYouTubeで聴けるのに、それでユーザーに11ドル99セント請求するのは無理な話なんだよね。そのお金があったらなんか別なほしいものを買って、音楽は無料で聴けばいいやってことになるから……これは大問題なんだ。


また、多くのアーティストのバック・カタログが契約更新期を迎え、アーティストから印税率の引き上げの要求が来るであろうことも考えると、利益率はさらに苦しいことになるとも指摘。ジミーは次のようなコメントを残している。

レコード業界は、こういう問題に取り組んで、解決していかないといけないんだけどね。実際考えてるのかどうか、僕にはわからないところだね。

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