華々しく思えたメジャーの舞台で味わった困難と苦節、己の音楽を取り戻すためにインディーズへ原点回帰、怒涛のライブ生活を経ての自主レーベル設立――SUPER BEAVERが歩んできた道のりが平坦ではなかったことは、この言葉の羅列を読んだだけでも痛いほど伝わってくるだろう。けれど、彼らが崖っぷちに立たされようが多くの別れを経験しようがメンバーを変えずに約13年間歩んで来ることができたのは、「自分達の音楽を鳴らし続けたい」という固い意志と「自分達の音楽を信じてくれる人を裏切りたくない」という熱い人情があったからだ。綺麗事だけでは越えていけない現実を目の当たりにしても挫折することなく進み続けてきた4人だからこそ語ることができる経験故の説得力、自分たちを励まし支えてくれた仲間やファンに対して募り続ける感謝と信頼。そして約13年かけてSUPER BEAVERが守り抜いてきた「私とあなた」という一対一の関係性は、会場が大きくなろうが動員が増えようが決して変わらない。だからこそ彼らの言葉、音、想いは「私」の胸に真っ直ぐ届くのだし、その誠実さを求めて彼らの音楽の下に多くの人が集うのだろう。
自分と正直に向き合おうとしてくれる人の前での隠し事というのはなかなかできないものだ。本音を言い淀み不満を溜め込みへつらう日々、SUPER BEAVERの音楽の前では気を緩ませてもいいのではないだろうか?≪正攻法でいい/斜めに構えるせいで 綺麗なもの 見逃してしまいたくないな≫(“正攻法”)――大丈夫、彼らはあなたが抱く綺麗事を決して笑うことなく、綺麗なまま肯定してくれるから。(峯岸利恵)