SUPER BEAVER、新ライブDVDに「綺麗事が美しく生きる空間」が生まれる理由を観た

SUPER BEAVER、新ライブDVDに「綺麗事が美しく生きる空間」が生まれる理由を観た - 『LIVE DVD 2 Tokai No Rakuda Special at 大阪城音楽堂』『LIVE DVD 2 Tokai No Rakuda Special at 大阪城音楽堂』
「綺麗事」という言葉には意味が2つある。「実情にそぐわない、体裁ばかりを整えた事柄」と「手際よく美しく仕上げること」の2つだが、一般的に使われるのは悪い意味を持つ前者の方だろう。「こうなりたい」とか「こう在りたい」という理想を語った際に、「そんな綺麗事が通用するはずがない」と誰かに無下にされたことや、自分自身で諦めという蓋をしてしまったことがきっと誰しもあるはずだ。けれど、決して綺麗とは言えない泥臭い日々を重ねても人はその理想像を追い求めてしまう生き物なのだろうし、そうした光に向かっていく力を「希望」と呼ぶのではないだろうか。SUPER BEAVERの曲は人の背中を押してくれるそういった希望に満ち溢れているし、彼らのライブは「綺麗事が美しく生きる空間」そのものだと、今作『LIVE DVD 2 Tokai No Rakuda Special at 大阪城音楽堂』を観て改めて思った。そして彼らの放つ言葉と音に宿るのは、共感を越えた、温かくて優しい「説得力」なのだ。


華々しく思えたメジャーの舞台で味わった困難と苦節、己の音楽を取り戻すためにインディーズへ原点回帰、怒涛のライブ生活を経ての自主レーベル設立――SUPER BEAVERが歩んできた道のりが平坦ではなかったことは、この言葉の羅列を読んだだけでも痛いほど伝わってくるだろう。けれど、彼らが崖っぷちに立たされようが多くの別れを経験しようがメンバーを変えずに約13年間歩んで来ることができたのは、「自分達の音楽を鳴らし続けたい」という固い意志と「自分達の音楽を信じてくれる人を裏切りたくない」という熱い人情があったからだ。綺麗事だけでは越えていけない現実を目の当たりにしても挫折することなく進み続けてきた4人だからこそ語ることができる経験故の説得力、自分たちを励まし支えてくれた仲間やファンに対して募り続ける感謝と信頼。そして約13年かけてSUPER BEAVERが守り抜いてきた「私とあなた」という一対一の関係性は、会場が大きくなろうが動員が増えようが決して変わらない。だからこそ彼らの言葉、音、想いは「私」の胸に真っ直ぐ届くのだし、その誠実さを求めて彼らの音楽の下に多くの人が集うのだろう。

自分と正直に向き合おうとしてくれる人の前での隠し事というのはなかなかできないものだ。本音を言い淀み不満を溜め込みへつらう日々、SUPER BEAVERの音楽の前では気を緩ませてもいいのではないだろうか?≪正攻法でいい/斜めに構えるせいで 綺麗なもの 見逃してしまいたくないな≫(“正攻法”)――大丈夫、彼らはあなたが抱く綺麗事を決して笑うことなく、綺麗なまま肯定してくれるから。(峯岸利恵)
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