吉沢が演じた山田は、理不尽な暴力や愛と向き合いながら、死体と想いを寄せる人を頼りに生きている、不思議な存在だ。その山田が醸し出す独特の雰囲気をまとうために、今までにないほど役を深く自分の中に落とし込み、役作りをしたという。
芝居力とかじゃないんですよ。山田はオーラみたいな、雰囲気みたいな男だから、それを出すのが難しかったんです
掘り下げても掘り下げても底が見えない役だったから、(中略)『もう全然わかんねえ』とか思いながらも、ひとりで勝手に馬鹿みたいに悩んでる感じが楽しかった。役者っていうのは悩む仕事だなって改めて思いながらやってました
また、そんな一筋縄ではいかない『リバーズ・エッジ』での経験は、吉沢の俳優としてのキャリアの中でもひときわ大きなものになったと語る。
こんなに考えたこともないし、こんなに芝居しなかったこともない。23際になったこの時にこの役をやれたのは、今後役者をやっていく上ですごく大事な事な気がして。それを『リバーズ』でやれたのはよかったと思います
『リバーズ・エッジ』で表現に悩み苦しみながらも、ぶつかった壁を乗り越え、俳優としてのポテンシャルの高さを見せつけている吉沢。大躍進を続ける裏で、着実に成長していく俳優・吉沢亮の、作品にかける真摯な想いと熱量が滲み出た必読のインタビューだ。