「音楽の話をすごいしてる!」星野源と三浦大知のピュアな音楽愛あふれる『ANN』を聴いた!

星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)の、春のスペシャルウィーク企画として、4月17日の放送では、三浦大知をゲストに迎え『星野源と三浦大知が CDとレコードを持ち寄り ブースの中で 中学生のように 音楽をかけながら ぐだぐだ2時間話すスペシャル!』を繰り広げた。もう、上記のやたらに長いタイトルを、星野源と三浦大知が一緒にコールするオープニングの、その声を聴いただけで、ふたりがこの企画を楽しみにしていたことがよくわかる。そして、音楽の話をしていまだに「中学生のように」わくわくできる間柄というのがまたいい。で、まさにこの日の放送はそんな感じで、ふたりのピュアな音楽愛があふれた放送になったのだった。三浦大知の「贅沢な企画に呼んでいただいてありがとうございます」という言葉も、それを感じさせる。もともと現在の星野源と三浦大知は、すでに友人関係ではあるのだが、その背景として、好きな音楽、好きになる音楽が、ある部分でかなり親和性が高いというか、簡単に言えば「趣味が合う」ふたりだということは、なんとなくこれまでのふたりの発言からも察することができていて、この日、ゲストが三浦大知であるという告知を聞いた時から、これは確実に楽しい回になるだろうなとは予想していた。が、実際のところ「楽しい」を超えて、ふたりのルーツをより深く知れたような、予想以上に濃密な時間だったのだ。

この日は『星野源のオールナイトニッポン』が3年目に入り、101回目であったことから、最初に星野がかけたのは、ドラマ『101回目のプロポーズ』の主題歌であった、CHAGE and ASKAの“SAY YES”。最新の楽曲とか、マニアックな選曲をするのではなく、誰もが知っている名曲をセレクトするあたり、さすがである。しかも、この知られすぎたJ-POPに対して、「最高ですね。スネアとベースのビートが、かなり実はタイトっていうね」と語り、冒頭から、話が合う人とだからできる音楽談義、みたいな雰囲気が漂う。三浦大知セレクトの1曲目はボーイズⅡメンの“Motownphilly”。彼がFolderで活動していた時期に、移動の車内でよく聴いていた曲だという。それを大人になって中古レコード屋さんで買ったというエピソード。そしてそれをしっかりアナログでかけるという、いやこういう時間、最高すぎる。自分も仲の良い友達と、こうやって好きな音楽をかけ合ってゆるゆると話したい。そう思った人もたくさんいたはず。

トークは、ブルーノ・マーズの来日公演の話から、アナログレコードやカセットテープのクリーニングの話、ステージドリンクの話まで、その盛り上がり方は本当に、ただの音楽好きふたりがしゃべっているという感じで、とにかく楽しい。好きな音楽の前では、人はとても無防備になるし、だから音楽は素晴らしい──そんなことを思ったりもして。音楽を語るとき、普段はあまり語らないようなことも話したくなる。三浦大知は、アッシャーの“U Remind Me”をかけ、この曲を知るきっかけとして、当時中学生で変声期を理由に活動休止していた頃のことを語った。その頃、何かと彼を気にかけてくれていたスタッフが、「聴かなきゃだめ」とすすめてくれたのがアッシャーで、来日公演でのライブをテレビでたまたま観たときに、ダンサーもつけずにひとりで歌うその姿に深い感銘を受けたのだと言う。それが、三浦大知のソロ活動のスタイルに大きな影響を与えたのだと。星野も“U Remind Me”を聴いて「これを機にしっかり聴いてみようと思う」と言っていたし、「いいね! 音楽の話をすごいしてる!」と、この充実した時間をかみしめているようだった。そんな三浦大知のエピソードトークを受け、星野源も自らの音楽ルーツを語る。細野晴臣『HOSONO HOUSE』との出会いから、YMO、そして、はっぴいえんどへと広がっていったこと。フォークのイメージを持っていたはっぴいえんどに対して「あれ? ちょっとブラックミュージックの匂いがする」と感じた曲があったこと。それが“あしたてんきになあれ”だと紹介し楽曲をかけた。さらにはこの曲が、「『ドラえもん』の中の“The Shower”っていう曲を作ったときのインスパイア元でもある」ということも明かしたのだ。その後の星野源の細野晴臣談義は、音楽の「趣味が合う」友人にだからこその熱量だったし、それぞれの音楽活動に、先人たちの音楽がどれほどのエネルギーやインスピレーションを与えてきたかが存分に伝わるこの回の放送は、録音して保存しておきたくなるくらいだった。

もちろん、ふたり共通のフェイバリットであるマイケル・ジャクソンの話は最高潮に盛り上がり、その後もどんどんふたりの音楽愛トークは加速していった。2時間があっという間に感じられたのは、リスナーである我々だけでなく、むしろ星野源と三浦大知のほうではないか。最後に星野は「これはほんとに楽しかった。またやろう」と言い、三浦も「次回も期待して待ってるんで」と返した。ふたりの選曲とその曲にまつわるエピソードや豊潤な知識に感服させられた時間。そこに音楽の素晴らしさを改めて感じられた回だった。心から第2回の実現を願う。(杉浦美恵)
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