チャットモンチーの『Mステ』でのパフォーマンスが清々しくもロックだったことについて

チャットモンチーが6月1日に『ミュージックステーション』にて完結前最後のTVパフォーマンスを行った。司会のタモリさんとのやりとりでは「いろいろと変身してきて『やりきったね』とふたりで話せたので」とバンドを完結させる想いを語った橋本絵莉子。演奏前にはチャットモンチーの歴史をたどるようにデビュー前の写真やライブ映像、そしてメジャーデビューから“シャングリラ”のヒット、高橋久美子脱退から現在に至るまでがVTRで紹介された。それを眺めるふたりも笑顔だ。「やりきりましたか」とタモリさんに聞かれ橋本は「そうですね、やりきる予定です」と、福岡晃子は「もうちょっとですね」と答えた。

この日、チャットモンチーは“たったさっきから3000年までの話”と“シャングリラ”を2曲続けて披露した。チャットモンチー・メカにおける最新型のサウンドを響かせる新曲の“たったさっきから3000年までの話”では、ふたりはお揃いのヘッドフォンをして、橋本がスタンドマイクで歌い、福岡は打ち込みの音源に鍵盤やドラムのビートを重ねながら演奏した。
《あなたがかなりおじいさんになる頃/どんな日本なのでしょう》――愛する人に、そう語りかけるように始まるこの曲。《あいも変わらず地震大国で/北朝鮮とアメリカの狭間で/揺れているでしょうか》なんて、もしかしたらチャットモンチー史上、最もシリアスに社会と向き合ったこの曲を最後にお茶の間に丁寧に届けていく。そして「ウォウォウォ/ウォウウォウ ウォウ/ララララララララララ〜」という橋本の叫びが「たったさっき」から「西暦3000年」までを繋ぐような迫力。ここに込められた、まさに言葉にし難い力を感じ取る曲だ。橋本が楽器を何も手にせず、ヘッドフォンの中の音楽と歌だけに集中することで、凄まじい威力を発揮していた。そんなこの曲の衝撃と真価をテレビの生放送でちゃんと伝えられたことがすごい。

そして曲が終わると、すぐさま“シャングリラ”へ。この時、ドラムセットでスタンバイしてニコニコ……というよりニヤニヤとした笑みを浮かべていたサポート・ドラマーはオカモトレイジ(OKAMOTO'S)。そんな彼につられて(!?)橋本も福岡も笑顔で楽しそうに、こうしてテレビで歌う機会も多かっただろう“シャングリラ”を最高のパフォーマンスで届けた。余計な感傷に浸るでもなく、彼女たちは彼女たちが選んだ道を最後まで走り遂げるんだろう、そんな印象を受けた。エンディングでは花束を抱えながら福岡が「田舎で自慢できます!」と言い、橋本は「楽しかったです!」とにこやかにコメント。テレビ出演が苦手だと言っていたかつての少女たちが、堂々と華々しくチャットモンチーとしての最後のテレビ出演を果たした。チャットモンチーは今、こうしてひとつひとつの「最後」を経て「完結」へと向かっている。(上野三樹)
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