エレカシ・宮本浩次、『行列』に登場! これがお茶の間を沸かせたエピソード

オンエア前後で大きな反響を呼んだ、6月17日放送・日本テレビ系『行列のできる法律相談所』、エレファントカシマシ・宮本浩次の出演回を実際にご覧になった方も多いと思う。

「あるバンドとの悔しい共演エピソード」が“今宵の月のように”リリース直後のGLAYとの『ポップジャム』共演を指していることも、宮本にサプライズプレゼントを贈った「尊敬するある人」が将棋会の巨星=羽生善治であることも、熱心なファンの方なら容易に想像がついたことだろう(GLAYの話は、かつて『JAPAN』誌のインタビューでも「ギラギラしたGLAYのすごさを、僕は目の当たりにしたんです。俺はGLAYを観てですね、3日間具合悪くなっちゃったんですよ」と語っている。詳しくはエレカシ単行本『俺たちの明日(上巻)』P151参照)。
しかし、デビュー当時の「咳払いひとつ許さない異質なライブ」や、1994年のレコード会社との契約切れ、“悲しみの果て”での再起と“今宵の〜”でのヒット、といったエピソードのひとつひとつが2018年の今、改めて「全国ネットで共有されるべき物語」としてバラエティ番組内でフィーチャーされている状況は、30周年アニバーサリーイヤーと『紅白』を経てニューアルバム『Wake Up』へ――と自ら巻き起こしてきた上昇気流の強さと正しさを別角度から映し出すものでもあった。

質問のひとつひとつに「あの〜……」と考え込む宮本のトークスタイル(?)は、これまで数々のバラエティ番組や音楽番組の出演時と同様、今回の『行列』でも司会・東野幸治やフットボールアワー・後藤輝基らの渾身のツッコミの対象となっていた。
「答えを待つ」ことが許されないバラエティ番組という特殊空間のテンポ感や作法と、懸命に答えを絞り出そうとする宮本のタイム感の相違。重力崩壊レベルに突き詰めた思索をロックと言葉とメロディに結晶させるエレカシの音楽の必然性が、バラエティのスタジオでは不器用にも映る宮本の佇まいからも滲んでくるようで、なんだか妙に嬉しかった。(高橋智樹)
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