欅坂46、異質なサマーチューン“アンビバレント”のMVに撃ち抜かれた

欅坂46が本日、日付が変わったその瞬間に新曲“アンビバレント”のMVを公開した。


同曲は8月15日(水)に発売されるシングルの表題曲。先日行われた「欅共和国2018」でも初披露され話題に上がっていたが、今回MVが公開されるとたちまち再生回数が爆発。深夜にもかかわらずTwitterのトレンドに長時間ランクインし続け、1日経たずしてすでに再生数は100万回を突破した。みんな“アンビバレント”に撃ち抜かれるのを待ち望んでいた。その待望の理由は、今年に入っての彼女たちの動向を注視していた人ならばわかるだろう。

3月に“ガラスを割れ!”を発表した後、平手友梨奈の姿を目にする機会が減った。正直、「これから欅はどうなるんだろう」という思いがよぎることもあった。しかし、平手そして志田愛佳の2名が不在の中で行われた「欅坂46 2nd YEAR ANNIVERSARY LIVE」で、メンバーのまさに壁をぶち壊すような凄まじいパフォーマンスを観て、その不安は「期待」へと変わったのだ。

そして今夏、自身が主演を務める映画撮影という大きな仕事を経て、平手が戻って来た。絶対的センターである平手の不在という重圧を抱えながらも、ガチガチに「欅坂46」のフラッグを守り続けてきたメンバー。そんなグループに漂う緊張感を一気に解放したのが今回の新曲“アンビバレント”だ。

新曲が発表されると、MVであらわになるダンスパフォーマンスの全貌やメンバーの表情を通して、楽曲に対する印象が変わっていくことが多い。その度に「やっぱり欅坂46は表現力だ」なんて思うのだが、今回はひと際、MVの中毒性が高い気がしている。視点を変えて何度も繰り返して観てしまうほど、見どころが多い。平手の圧倒的なカリスマ性を中心に、それに引っ張られるように解き放たれていくメンバーひとりひとりの感情、顔が見えないほどの激しいダンス、挑発的でもある振る舞い、ちらりと除く鋭い目、曲の世界に入り込みすぎて怖いくらいの表情、かと思ったら不意に見せる不敵な笑みにドキリとさせられる。そして、序盤に出てくるメンバー21名全員の名前が入ったクレジットも思うところがあった。

ちなみに新曲“アンビバレント”は、「相反する感情が同時に存在するさま」という意味を持つタイトルの通り、「孤独の自由気ままさ」を愛していながらも「1人では生きられない」という2つの感情が交差する歌詞に仕上がっている。相反する感情、つまりある意味での矛盾、この楽曲はそれを否定しない。白黒はっきりつけないことはどうしても中途半端に感じられて悩みの種になることが多いが、それだって自分の生き方なんだと吹っ切る勇気を与えてくれる、欅坂46らしい異質なサマーチューンだ。(渡邉満理奈)
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