「まさかの実写化!?」と話題をかっさらった結果、なんと興行収入約38億円を記録し、堂々2017年の邦画実写でナンバーワンの大ヒットとなった映画『銀魂』。あれからわずか1年、早くも奴らがスクリーンに帰ってくる! 8月17日の公開を目前に控える『銀魂2 掟は破るためにこそある』について、本記事では絶対に外せない5つのポイントで解説する。
①前作『銀魂』を振り返る!
実写化映画が立て続けに公開される中、「いろんな意味で絶対無理」と言われてきた『銀魂』が、『勇者ヨシヒコ』シリーズ、『HK/変態仮面』などで知られる福田雄一監督により実写映画化を果たした。主人公・坂田銀時役に小栗旬、志村新八役に菅田将暉、神楽役に橋本環奈、高杉晋助役に堂本剛など豪華俳優陣が結集し、原作に忠実なキャラクタービジュアルと、ふんだんに盛り込まれたギャグ要素で『銀魂』ワールドを確立。原作ファンにも幅広く支持されて大ヒットとなった。今回の『銀魂2』は、前作撮影中あまりの手ごたえに、福田監督自らその場で続編オファーを開始していたというから驚き!②気になるストーリーは?
『銀魂』は、空知英秋原作のSF時代劇型コメディ漫画で、『週刊少年ジャンプ』で現在連載中のほか、テレビ東京系にてアニメ『銀魂 銀ノ魂篇』も放送中だ。メタフィクションネタ、パロディや下ネタお構いなしの1話完結ギャグものと、熱く泣けるシリアス長篇のバランスが絶妙な原作から、今回実写化されるのは、原作でもアニメでも神回と評されるギャグ『将軍接待篇』、そして数々の長篇の中でも屈指の人気の誇るエピソード『真選組動乱篇』だ。まずはその内容をおさらいしてみよう。(1)抱腹絶倒ギャグ『将軍接待篇』とは?
『将軍接待篇』は、主人公・坂田銀時たちと「将軍かよォォォォ!!」のツッコミでお馴染み・第14代征夷大将軍の徳川茂茂との絡みが描かれるギャグもの。原作の第128訓での初登場以来、数々の名エピソードを生み「将軍ネタははずれなし」と人気を博している中から、予告編の衣装からおわかりのとおり、キャバクラと床屋のエピソードが採用されている。女装や変顔、下ネタにモザイク処理が飛び交う限界突破のギャグをどう実写化するのか!?(できるのか!?)に注目だ。
(2)アツい人情長篇『真選組動乱篇』とは?
もうひとつの軸となる『真選組動乱篇』は、作中でキャラクターとしても絶大な支持を集める真選組が舞台。突然ヘタレオタク・トッシーと化してしまった土方十四郎と、真選組の乗っ取りを画策する伊東鴨太郎を中心に、彼らの絆や深い人間関係が描かれ、そこに因縁の相手・高杉晋助の存在が絡んでくることで、銀時の信念も浮き彫りになっていく。しっかりギャグを挟みながらもアツく泣ける人情話、そして史実をモチーフとしつつ複雑な伏線が練られたシナリオは、まさしく『銀魂』の真骨頂。さらにこれぞジャンプ漫画!と言うべきバトルシーンも盛りだくさん。福田監督が「動乱篇を実写化で見たい」という原作ファンのコメントを見て選んだというほどの人気エピソードなのだ。
(3)すべてを再構築! 気になるオリジナル要素は?
ギャグ、シリアス、バトル――『銀魂』特有のこの振れ幅を、いかにして1本の映画としてまとめあげるのか? 予告編では、原作でもライバルとして張り合うことの多い沖田総悟と神楽の共闘や、高杉晋助の「絶好の機会だ。やってこい、将軍を」のセリフ、銀時と河上万斉とのラストバトルの展開など、すでにファン心をざわつかせる実写オリジナル要素が話題を呼んでいる。さらにはキャバクラ回にはいないはずの桂小太郎がキャバ嬢として参入との情報も! そして前作同様、もちろん映画オリジナルのパロディネタにも期待できるわけで……これらがどうハイブリッドされるのか!? 前作でも「カブト狩り篇」、「紅桜篇」という両極端なエピソードを見事に再構築してみせた福田監督の手腕が光るところだ。
③さらに豪華キャストが集まった新キャラクター
万事屋3人を始め、前作のキャスト陣はもちろん全員続投(なお、佐藤二朗のみ前作の武市変平太とは異なるキャラクターで続投/笑)。驚かされるのは、たとえヘンテコな変装をしていてもそれとわかるほど、もはやキャラと一体化していることだ。全身全霊で挑む怒涛のボケ、ツッコミの嵐を想像するだけでわくわくが止まらない。今作から参加の新キャラクター陣も、とにかく「完成度たけーなオイ」の連続! それぞれエピソードのキーとなる将軍役には勝地涼、伊東鴨太郎役には三浦春馬。銀時と激しいバトルを展開する敵役・河上万斉に窪田正孝。演技にもアクションにも定評のある彼らが、一筋縄ではいかないキャラクターをどう演じるのか、そして数々のバトルシーンにどんなアクションで挑むのか? さらにはビジュアルの再現度に驚かされたお登勢役・キムラ緑子、松平片栗虎役・堤真一、猿飛あやめ役・夏菜ら――豪華すぎる実力派俳優たちが、コスチュームも世界観も奇抜すぎる『銀魂』の世界で見せる新たな顔が楽しみだ。
④SF時代劇アクションがヤバイ!
走る列車での大乱闘や銃撃戦、カーチェイス、ヘリコプターなど、そもそも映画顔負けのアクションシーンが連続することも、『真選組動乱篇』が実写化を望まれていた理由のひとつ。ボロボロにひしゃげたパトカーをかっ飛ばして駆けつける万事屋、その上で仁王立ちになり名ゼリフをキメる土方などなど、実写化してほしい場面は数えきれない。SF時代劇という名の下に、江戸の町を車やバイクが走ったり、ヘリコプターが襲来したりという画も『銀魂』ならではだし、原作を再現しつつリアリティを追求した和洋折衷のデザインが前作でも素晴らしかっただけに期待が高まる。もっと言えば、銀時の木刀に対する河上万斉が武器として操るのは三味線の弦だし、真選組隊士たちは刀も銃も使いたい放題だし、バトルも一筋縄ではいかない。予告編を見ただけでも、アクションシーンの派手さ、多彩さは前作を遥かに上回っている。もう邦画史に残るスペクタクルムービーになるかも?!⑤主題歌はback numberの“大不正解”!
主題歌は、back numberが今作のために書き下ろした楽曲“大不正解”! ラブソングのイメージから一転、アッパーなギターリフと前のめりに跳ねるビートが印象的な“大不正解”について、清水依与吏(Vo・G)は「思えばジャンプで掲載されてから毎週『銀魂』に触れているわけですから、なんだか14年来の友人に友情をテーマに曲を書くかのようなこそばゆさを感じつつも、純粋にうれしかったし、楽しみながら作れました。自分達の中にある『銀魂』の世界と、実際の人生の中での『銀魂』な瞬間を、あまり踏み込んだことのない領域の熱量で歌えたと思います」と愛のあるコメントを発表している。《僕等は完全無欠じゃ無い》という冒頭のフレーズが、『銀魂』のテーマをずばり表現していて熱くなるし、《泥舟》という原作者・空知英秋が前作の際に残した言葉を引用していることにもニヤリとしてしまう。不器用な優しさとまっすぐな愛情を表現した唯一無二の彼らのロックが、今作を盛り上げること間違いなしだ。バカバカしいギャグで笑いたい、シリアスなドラマで泣きたい、ド派手なアクション映画で熱くなりたい、豪華俳優陣の共演を楽しみたい――そのすべてを全方位から叶えてくれる『銀魂2』。全貌が明らかになるのはもうすぐだ!(後藤寛子)
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