SUPER BEAVER“予感”の素晴らしさはドラマ『ぼくきせ』と共に増幅する

SUPER BEAVER“予感”の素晴らしさはドラマ『ぼくきせ』と共に増幅する
フジテレビ系ドラマ『僕らは奇跡でできている』が物語も終盤に突入して回を増すごとに大きな盛り上がりを見せている。高橋一生が演じる主人公・相河一輝は動物行動学を教える大学講師で、ちょっと変わり者なんだけど、周りの人を巻き込みながら色んな影響を与えていく……というのが主なあらすじの、このドラマ。

通勤時には自転車に乗って鳥の声に耳を澄ませたり、飼っている亀を森で散歩させたりするシーンの、相河先生のキラキラと目を輝かせる豊かな表情が見どころで、視聴者はまるで一緒にフィールドワークに出かけているような癒やし効果が――などと、ドラマが始まった当初は思っていたが、そんな生ぬるい内容ではなかった。歯科医の水本育美(榮倉奈々)をはじめとする登場人物が彼と関わることで「自分はどうありたいのか、どう生きたいのか」に向き合い、世間体や自分で作った敵や思い込みを捨てて鮮やかな答えに辿り着こうとする。そんな瞬間を大きな森の中で見つけ出すような、これまでになかった感動を得られるドラマだ。

このドラマにピリッとしたスパイスを効かせているのがSUPER BEAVERが書き下ろした主題歌“予感”である。例えば第6回の終わり、相河先生が森の中に仕掛けた橋をリスが遂に渡るシーン。それは、人間が作った道によりリスの行動範囲が狭められていることを知り、自ら作った橋で何とか道の向こう側へと渡らせてあげようという試みであったが、手伝っていた育美が涙を流しながら、相河先生と一緒に喜んだ。その絶妙なタイミングで“予感”のイントロのギターリフが高らかに鳴り響いた時、「あっちの世界とこっちの世界が繋がりました!」という台詞と共に、このシーンにおける本当の意味が力強い輪郭を持ち、ハッとさせられた。

《どうあったって自分は自分で/どうやったって誰かにはなれない》、“予感”はそんな歌詞で始まる。この歌に、第7回で自身にまつわる重要な告白をした相河先生や、第8回で相河先生との関係性にまつわる重大な嘘を告白した家政婦の山田さん(戸田恵子)の、不器用な生き方が重なる。人生いつだって順調なわけじゃないけれど、だからこそ《予感のする方へ 楽しい予感のする方へ》と鼓舞し導くようなSUPER BEAVERのストレートで力強いメッセージは、単なる癒し系ハートフルドラマではない今作の芯の強さや熱量をあぶり出している。何より、2005年にバンドを結成してから決して順風満帆というわけではなかったが、今年は日本武道館でのワンマンを成功させたり、アルバム『歓声前夜』が過去最高セールスを記録している今のSUPER BEAVERだからこそ、このドラマと共鳴し、説得力を持って“予感”を生み出すことができたのだろう。

ドラマ『僕らは奇跡でできている』を見ながら、SUPER BEAVERのギターの音がかき鳴らされる度に、歌声が響く度に、またひとつ不思議が解き明かされたような嬉しい気持ちになる。あと何回そんな体験ができるだろう。最後までワクワクしながらドラマと主題歌の相乗効果を楽しみたい。(上野三樹)

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