RADWIMPS×『天気の子』のMステでのコラボは「声」が起こす奇跡だった

RADWIMPSが初めて『ミュージックステーション』に出演して“前前前世”を披露したのは2016年8月のことだった。あれから3年、新海誠監督と再びタッグを組んで作り上げた映画『天気の子』のサウンドトラックアルバムから“グランドエスケープ (Movie edit) feat.三浦透子”と“愛にできることはまだあるかい”の主題歌2曲を、新海監督の特別編集による映像とともに披露した。

1曲目は“グランドエスケープ”。《空飛ぶ羽根と引き換えに 繋ぎ合う手を選んだ僕ら》と儚くも危うい心の機微を、澄み切った歌声で丹念に紡いでいく三浦透子。ピアノを奏でる野田洋次郎の歌が三浦の《行こう》の声と呼応し、エレクトロアレンジも内包しながら刻一刻と高まりくるバンドサウンドの果てに、大編成のコーラス隊とともに三浦が《夢に僕らで帆を張って》と高らかに歌い上げる瞬間の音の絶景――。
およそテレビの音楽番組の概念を超えた壮麗なダイナミズムは、音楽の神秘性とプリミティブな衝動を1mmの矛盾もなく体現するものだった。

ここで三浦が舞台を去り、コーラス隊のイントロから“愛にできることはまだあるかい”へ。静謐な音像がストリングスアレンジとともに壮麗な響きを増し、《終わりある人生に なぜ希望を持たせたか》という根源的な問いの果てに《愛にできることはまだあるかい/僕にできることはまだあるかい》の一節を掲げる野田の真摯な歌声が、映画本編での物語性をも超えて、どこまでも美しく切実に鳴り渡っていた。

3年前の“前前前世”での同番組初出演時は、スタジオの観客が巻き起こすライブハウスばりの熱狂やシンガロングとともに、「ロックバンド・RADWIMPS」としての在り方を克明に映し出したものだった。そして今回、同じく映画主題歌である最新楽曲を演奏するRADWIMPSの姿が証明していたのは、ロックやバンドといった枠組みをも無効化するほどに奮い立つ、音楽家としての探究心と冒険心そのものだった。(高橋智樹)
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