LiSAが初出場の『NHK紅白歌合戦』で“紅蓮華”を披露した最強の「ライブ」について

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LiSAが昨年12月31日、『第70回NHK紅白歌合戦』に初出場した。2009年に水樹奈々が初出場して以降、『紅白』にはほぼ毎年声優・アニソンシンガーが出演している。LiSAの出演もこの系譜にあたるものだろう。

歌唱曲はTVアニメ『鬼滅の刃』のOPテーマ“紅蓮華”。2016年より『週刊少年ジャンプ』で連載されている漫画『鬼滅の刃』がアニメ化したのは昨年4月のこと。アニメスタートとともに原作の漫画も発行部数を伸ばし、シリーズ累計発行部数が2,500万部を突破(電子版含む)するなど、2019年を代表するコンテンツとなっていった。その勢いは社会現象と呼んでもいいほど。実際私も、都内の書店で最新巻の品切れを告知する張り紙を何度か見かけた。そんななか、LiSAの歌う“紅蓮華”も4月22日の配信開始以降、現在に至るまでロングヒットしている。アニソンシーンを牽引してきたLiSAというアーティストの功績や、今年の顔となる名曲の誕生を踏まえると、今回の『紅白』初出場は必然のものだった。

Perfumeの3人、Kis-My-Ft2の宮田俊哉、Hey! Say! JUMPの薮宏太からの応援コメントを受け、いよいよLiSAの出番へ。これまでのライブでも彼女のサポートをしてきたPABLO(G)、柳野裕孝(B)、鈴木浩之(Dr)、そして事務所の先輩かつシングル『紅蓮華』のカップリング曲“やくそくのうた”のレコーディングに参加している渡辺シュンスケ(Key)を迎えた布陣でライブに臨んだ。

そう、あえてこう呼んだがまさに「ライブ」だったのだ。鋭い目つきで歌うLiSAは、さながら全集中の呼吸的な覇気をまとっている。《自分自身だけ》の最初の「じ」、《運命を照らして》の「う」など、主に低音域におけるドスを効かせた歌声にはこの舞台にかける彼女の気合いが滲み出ていた。アニメの映像がバックで流れる演出も良かった。LiSAの活躍はもはやアニソンシーンに留まらないものだが、その一方彼女は、(例えばロックフェスに出演するようになった時など)他のどのフィールドに進出する際にも、自分がアニソンシーン発のシンガーであることを明らかにし、それを自らの誇りとして語っていた。アニソンシーンがあるからこその今の自分、という魅せ方、闘い方をしてきた。そういう彼女の在り方がこの日の歌唱には表れていたように思う。ちなみにアニメのOP映像と音源とで歌詞が違うサビの部分、今回は音源バージョンの方。アニメ映像が流れるなかで《ありがとう 悲しみよ》と歌われるのは珍しいし、その時、第19話のあの名場面が流れていたのにもグッときた。(蜂須賀ちなみ)

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