クラフトワークの共同創設者でキーボーディストのフローリアン・シュナイダーが、73歳で逝去したことが明らかとなった。
「The Guardian」によると、フローリアンは一週間前に亡くなり、家族によって埋葬されたとのこと。また、ソニー・ベルリンによる訃報が確認されたことも報じている。クラフトワークの代理人によると、フローリアンは生前に癌(がん)で闘病していたという。
フローリアンは、ドイツはデュッセルドルフのレムシャイトにある芸術アカデミー在学中にラルフ・ヒュッターと出会い、ドイツの実験的なアンダーグラウンド音楽シーンで活動を始めて1970年にクラフトワークを結成。
バンドはギターやベース、ドラム、オルガンや弦楽器に加えてシンセサイザーとドラムマシーンを導入して実験的なサウンドを模索し、1970年にデビューアルバム『クラフトワーク』をリリース。
続けて『クラフトワーク2』と『ラルフ&フローリアン』を発表し、1974年の『アウトバーン』とその翌年にリリースされた『放射能(原題:Radio-Activity)』で国際的にメインストリームの人気を獲得した。
バンドはミニモーグなどの新たな音楽技術を駆使してエレクトリック音楽を制作すると共に、拡張されたツアー・ラインナップやサウンドにマッチするコスチューム、ライティングによる演出で革新的なステージを生み出して話題となった。
クラフトワークは続けて発表した『ヨーロッパ特急(原題:Trans-Europe Express)』と『人間解体(原題:The Man-Machine)』で、その世代を代表するグループとして確固たる人気と地位を確立し、デヴィッド・ボウイやブライアン・イーノといったレジェンドの他に、ジョイ・ディヴィジョン、ニュー・オーダー、ダフト・パンク、ビョークといったアーティストにも大きな影響を与えた。