現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』6月号にAimerが登場!闇も光もすぐそばにあるということを伝えたいし、それを聴いた人がまた「生きてみよう」と思ってくれたらいいなと思う
なぜ今、その歌は私たちをより力強く包むのか――
最新アルバム『Walpurgis』で描く光と闇のファンタジー、その奥にあるメッセージを語る
インタビュー=杉浦美恵
Aimerがこれまで作り上げてきたアルバムは、そのすべてに明確なコンセプトがある。『Sleepless Nights』『Midnight Sun』『DAWN』という初期3作のアルバムでは、様々な「夜」そして「夜明け」をテーマに落とし込み、続く『daydream』では白日夢のようなファンタジックな世界を表現。さらに2作同時リリースとなった2019年の『Sun Dance』と『Penny Rain』では、それぞれ太陽と雨とをテーマに対になる作品を作り上げた。こうして振り返れば、真夜中と真昼、光と影は、Aimerという表現者の核に常に存在するものであり、その移ろいの中に人々の感情や営みがあるということをずっと歌にしてきたのではないかと感じられる。待望の6作目となる新作フルアルバム『Walpurgis』は、これまでの作品の中でも最もコンセプチュアルだ。光と闇、孤独と癒しが相反することなく同居することを一枚の作品で描き切った見事な作品である。それは、冬の季節を抜けて暖かい春の訪れを願う、今のこのコロナ時代を生きる我々の思いにもシンクロする。壮大でありながら日常に寄り添う、このAimerの最高傑作はいかにして生まれたのか。作品に込められた深く豊かなメッセージについて、そのすべてを語ってもらった。(杉浦美恵)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2021年6月号より抜粋)