オアシスが96年8月10日と11日、英ネブワース・パークに25万人を動員して行った「メガ・ライブ×2日間」はあらゆる意味でエポックメイキングな出来事だった。当時のUK人口の4%以上がこのライブのチケットを申し込み、英音楽史上最大のチケット争奪戦に。
それまではロックに全く興味がなかったような一般層まで目の色を変えてライブのチケットを手に入れようと奔走し、ファンはもちろんこの「数十年に一度の歴史的事件」の体験者になろうとなけなしの貯金を下ろしたり、周りから借金をしたり、愛車を売ってチケット代に充てたりetcなんて話が連日タブロイド紙で報じられていた。
それまでの英国では一介のインディ・バンド(当時のオアシスは母国ではクリエイション所属)がこんな大規模なライブを実現させることだけでも前代未聞だったし、そのライブがここまで全国規模のヒステリアを生んだ例も史上初!だった。
今年はそんなクール・ブリタニア!な一大イベントから早25年。ジャストなタイミングで「オアシス@ネブワース・ライブ」の新ドキュメンタリー映画の製作+公開が各メディアで発表された。監督はオアシスの他にもザ・ローリング・ストーンズやR.E.M.、U2等の音楽ビデオを手掛けたことで有名なジェイク・スコット。スコット本人の最新コメントによると「不必要な有名人の回想インタビューはなし。あの歴史的ライブの実態を記録することに集中した作品になる」らしいので、あのライブを現場体験できなかった世代にとっても貴重な映像記録になるのは間違いない。
ノエル&リアム・ギャラガーも本作のエグゼクティブ・プロデューサーとして関わっていると聞く。オアシスの公式SNSによると「公開は今年の後半」らしい。今から待ちきれない。(児島由紀子)
オアシスの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』7月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。