レディオヘッドのトム・ヨークが10月2日、豪華メンバーからなる新バンドを伴ってロサンゼルスで小規模のライブを行った。
急遽発表された今回の会場、エコープレックスでの「シークレット・ライブ」。チケットはものの数分で売り切れてプレミアがつき、インターネット上で3,000ドル(約27万円)の値がつけられたという。
陽気な様子のこの日のトムは踊り、笑い、オーディエンスとジョークさえ交わした。冒頭では「『リハーサル』にようこそ」と言い、ソニック・ユースのキム・ゴードン、女優のロザンナ・アークエットやエレン・ペイジ、プロデューサーのリック・ルービン、ネオン・ネオンやコールド・ウォー・キッズのメンバーたちの姿も見受けられる観客たちを迎える。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリー、R.E.M.との共演で有名なジョーイ・ワロンカー、ブラジル人マルチ・インストゥルメンタリストのマウロ・レフォスコ、プロデューサーのナイジェル・ゴドリッチとともに、トムはまず2006年作『ジ・イレイザー』のタイトル曲を始め、続いて“アナライズ”に入り、そのままアルバムの収録曲をすべて演奏した。心地よいテンポで展開される各曲は、サウンドの層を重ねられ、新たな生命を吹き込まれていく。
始めのうちステージの端で無頓着な様子でベースを弾いていたフリーは徐々にステージ中央に近づいていき、最後にはトムと同じスポットライトに入って演奏する。1人のオーディエンスが「(レーナード・)スキナードの曲をやれ!」と叫んだ時には、トムは両手の中指を立て、「ストーン・テンプル・パイロッツの曲もやれってのか?」と答えた。
50分の演奏が終わると、バンドは退場。トムはソロ・アンコールのために1人で戻ってきて、ピアノで“オープン・ザ・フラッドゲイツ”、“ロータス・フラワー”を披露。静かな演奏の途中に観客の話し声が聞こえると、トムは「おしゃべりしたいなら外に出やがれ。いいな?」と言った。客席からは歓声が上がり、その後しんと静まり返る。
「リハーサル」という最初の宣言に違わず、曲の出だしで演奏を間違える場面もあったトム。再びバンドがステージに上がってからは、シンセサイザーによるトライバルなリズムにファルセットが乗せられる新曲を披露した。
「この曲は本当に、本当に、本当に新しいんだ」とトムが紹介したいくつかの曲も、オーディエンスからは好意的に受け入れられた。最後は“フィーリング・プルド・アパート・バイ・ホーセズ”の激しい演奏で幕を閉じた。
セットリスト
1. The Eraser
2. Analyse
3. The Clock
4. Black Swan
5. Skip Divided
6. Atoms For Peace
7. And It Rained All Night
8. Harrowdown Hill
9. Cymbal Rush
10. Open The Floodgates
11. Lotus Flower
12. Skirting On The Surface
13. Judge, Jury, Executioner
14. Paperbag Writer
15. The Hollow Earth
16. Feeling Pulled Apart By Horses
10月4日と5日にもロサンゼルスのオーフィウム・シアターでライブを行うトム・ヨークの新バンド。こちらは当サイトのブログ「中村明美のニューヨーク通信」でレポート中です。是非ご覧ください!
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トム・ヨーク新バンドが初ライブ
2009.10.05 20:40