マイ・ケミカル・ロマンス、新作の影響源を語る

先日ニュー・アルバムはザ・ストゥージズとMC5から影響を受けていると語っていたマイ・ケミカル・ロマンスのジェラルド・ウェイが、さらなる影響源を明かしている。

2006年の『ザ・ブラック・パレード』に続く新作は、マッスル・カー(60年代後半から70年代前半にかけてアメリカで流行した高性能車。ドラッグ・レースなどに用いられた)や映画『ブレードランナー』、ジューダス・プリーストにも影響を受けているのだそうだ。

「仮タイトルではあるけれど、“トランザム(Trans-Am)”(GM社が1969年から2002年まで製造していたポンティアック・ファイヤーバードの最上級グレード車)という名前で呼ばれている曲があるということは、このバンドにとっては大胆なことだよ。これまでの曲とは対照的でね」とジェラルドはウェブサイトSpinner UKに話している。「この言葉には明らかに車以上の何かを思わせるものがある。でも70年代のマッスル・カーのような古い文化を音楽に持ち込むことにはまた別の意味もあるけれどね」

なお今年ジェラルドはTwitterを通じて、アルバム制作の参考のために1979年製のポンティアック・トランザムを購入したいという告知も行っていた。

また彼は“デス・ビフォア・ディスコ(Death Before Disco)”という新曲について話す中で、ジューダス・プリーストの音楽によってアルバムが形作られていったことを認めている。

「この曲にはどこか80年代のコックロック(cock rock。自己中心的でタフガイ的なポーズを前面に押し出したハードロックの一種)と呼ばれていた音楽のうち最高のものを思い出させるようなところがあるんだ。全部が全部良いってわけじゃなかったけどね」と彼は言う。「ジューダス・プリーストはメタルだと考えられていたけれど、本当は素晴らしいロックンロールなんだ。当時のメタルやヘアロックとは何の関係も無くて、パワーアンセム的なメタルの誕生に直結している。“トランザム”の後はそういうものがこのレコードにどんどん流れ込んできた」

また、映画『ブレードランナー』(1982年)もレコーディング・セッションにおいて一役買ったという。

「『ブレードランナー』は相当観ているし、メイキングも相当観ている。(監督の)リドリー・スコットには本当に影響を受けたよ。あくまでカメラを手放さない態度や、特別な何かを捉える資質とかね。あの映画にはみんな困惑していたけれど、彼は自分のヴィジョンについて断固たる姿勢を貫いたし、僕らも今回は自分たちのヴィジョンについて断固たるものを持っていた。だからこそこのアルバムはレコーディングに1ヶ月半とかじゃなく、4ヶ月もかかったんだ。良いものを作りたいという僕らのバロメーターはかなり上がっていたからね」

マイ・ケミカル・ロマンスの4作目となるアルバムは2010年春にリリース予定。レコーディングはロサンゼルスで行われ、プロデュースはブレンダン・オブライエン(ブルース・スプリングスティーンなど)が手がけた。

(c) NME.COM / IPC Media 2008/2009
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