ハリウッドの映画会社各社は現在、業界の運送面を担当する運送業者の労働組合と新規契約を折衝中とのことだが、現在の契約が8月1日に失効する前にこの折衝が暗礁に乗り上げた場合、組合側は全面ストも辞さないと表明していて、その場合にハリウッドが被る損害は07年の脚本化組合のスト以上のものになるかもしれないと囁かれている。
ストが決行された場合、現在制作が進行している映画や20本近くのテレビ番組も影響を免れないだろうとハリウッド・リポーターは伝えている。
「本当に起きちゃったら、ものすごく残念なことになると思いますね」とテレビのCBS系列で放送されている『クリミナル・マインド FBI行動分析課』のプロデューサー、エド・バーネロは語る。「本当に起きたら、自分はどう行動するのか、今考えてみてもとてもわからないですね。ただ、組合っていうのは自分にはとても大事なものなので、ものすごく難しい判断を迫られることになるでしょうね」。
実際に交渉に当たっている運送業者組合のハリウッド・ローカル399では7月25日に総会を開くことになっていて、ここでスト決行を認めるかどうか投票が行われる。
ここでスト決行が認可されると、8月1日に旧契約失効した8月2日0時以降は、地元の組合幹部らの指揮によっていつでもストを決行することが可能になる。そうした場合、たとえば、俳優やスタッフのスタジオへの送り迎えさえ物理的に不可能になってくる。
新契約の交渉は6月14日から続けられてきたが、条件面で折り合いがつかないできた。組合側は3パーセントの報酬増額を要求しているのに対して、映画会社側からはまだ2パーセントの回答しか得られていない。その一方で、契約期間を3年としてきた映画会社側は、期間を2年とする妥協案も示している。
ある映画会社の幹部はこう語っている。「わたしは今回の運送業者ストなど本当に起きるわけがないくらいに思っているんですけど、でも、わたしに反対して、いやこれは本当に起きるかもしれないという人もなかにはいるんですよ。ただ、いろいろ話題になっているのは、もし本当にストになったとしたら、相当な泥仕合になると思うんですね。ストの期間の長さとか、損害の金額とかそういうことではなく、今回のストがもたらす衝撃は脚本家組合のストの時よりも甚大なものになりかねないんですよ」。
07年から08年にかけてアメリカ脚本家組合が100日間にわたって決行したストでは映画会社も大きな損害を被り、テレビ放送局では、どの番組もシナリオや脚本が底をついてしまったため、軒並みリアリティ番組で穴埋めを強いられることになった。
(c) NME.COM / IPC Media 2010
ハリウッドの運送業者ストで業界麻痺化の危険
2010.07.23 16:00