2月6日におそらく睡眠中の心臓発作で亡くなったゲイリー・ムーアだが、メタリカのギターのカーク・ハメットはゲイリーの熱狂的なファンだったことでも知られ、自分に影響を与えた5大ギタリストのひとりだったと語っている。ちなみに、ほかの4ギタリストはジミ・ヘンドリックス、エディ・ヴァン・ヘイレン、スティーヴ・レイ・ヴォーン、マイケル・シェンカーだとか。
カークはメタリカでの自身の演奏でもゲイリーからの影響を反映させていて、メタリカの代表作ともいわれる1986年の『メタル・マスター』のタイトル曲“メタル・マスター”のオープニングのギター・ソロのフレーズも実はゲイリーが得意していたギター・フレーズを借用してきたものだとカークはローリング・ストーン誌に語っている。
特にゲイリーのブルース・アルバムを初めて聴いた時にはゲイリーのギターのスタイルだけでなく、ギターの音色そのものに「ぶっ飛んだ」とカークは語っていて、カーク自身、ゲイリーのサウンドとフィーリングだけをベースにしたリフもいくつか書いていて、そのリフを使った曲が1991年の『メタリカ』収録の“ジ・アンフォーギヴン”なのだとも明かしている。
そんな自身にとってのヒーローといってもいいゲイリーにカークが実際に初めて会ったのは意外にもわずか1年半前のことだったとか。「ドイツのホテルに泊まってて、ホテルのジムに行こうとしてたんだよ。5階でエレべーターに乗ったら、4階で止まって、そこにゲイリー・ムーアがいきなり乗り込んできたんだ。もう信じられなかったね!」
「すぐに自己紹介してさ、どれだけ影響を受けたかっていう話をさせてもらう機会にありついたというわけなんだ。実は一時期ゲイリーは最近のギタリストで自分をパクっているやつに非常に腹を立てていたっていう話を聞いていたから、俺もちょっとビクビクもんだったんだけどさ、あれ以上に優しく接してもらうことは考えられないっていうくらいに対応してもらってね、今振り返ってみて、本当にああやって会える機会に恵まれてよかったと思うよ」