2023年11月17日に公開された、映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』。その名の通り「鬼太郎誕生」までを描くストーリーで、物語を牽引するのは後の目玉おやじである鬼太郎の父と、野心家のサラリーマン・水木。シビアで容赦のない展開ながら、鬼太郎の父と水木の友情、運命に立ち向かうふたりの人生の交錯は私たちの心を強く揺さぶりました。公開直後から口コミで広がった反響は、アニメファン、映画ファンをも飛び越え、「“ゲ謎”入村者」はあっという間に増加。その勢いは公開から約1年経っても止まらず、今年ついに、映像と音響をブラッシュアップした『真生版』が公開! ということで、11月19日発売のCUT12月号では、『ゲ謎』特集を敢行しました!
特集では、水木役の木内秀信さんのソロインタビューと、古賀豪さん(監督)×吉野弘幸さん(脚本)×谷田部透湖さん(キャラクターデザイン)の座談会をお届け。こちらのブログでは、木内さんのインタビューを一部抜粋してご紹介します。
(インタビュー内容はネタバレを含みます)
(演技について)特に細かい演出はありませんでしたが、「そのままの生っぽい演技をしてください」と言われました。しかし、役をつかむまでのプロセスには時間をかけて指導していただきました。まず、1シーン演じると、監督が分厚いドアを開けて狭いアフレコブースに入ってくるんです。そして、膝がつくほどの距離で僕の対面に座って、ポツポツと「水木という男はこういう男で、こういう時にはこう思う男なんです」と教えてくれました。今演じたセリフについてではなく、水木という人物全体を伝えてくれました。
それを何度も繰り返しているうちに、ある時ブースには来なくなって、ようやく「次、進みましょう」となりました。そこからは、細かい演出を受けたという印象はあまりないです。あ、でも鬼太郎の父に「タバコくれ」と言われて「嫌だね」と返すセリフでは、「もっと意地悪にやってください」「もっと吐き捨てるように、もっと偉そうに、嫌な感じで」とリテイクを受けたことをよく覚えています。あとは、子どもたちに「コラーッ!」と怒鳴るところは、もっと大声でやるようにとも言われました(笑)。そうした部分的な指示はありました
聞けば聞くほど、水木は木内さんでないと成り立たない役だったんだと改めて感じるインタビューになりました。特に、インタビュー後半で伺った「鬼太郎の父との出来事が、水木にとって忘れても忘れられないほど強烈だったのはなぜか」という質問への木内さんのお考えには、現場でお話を聞きながら深く深く頷くばかりでした。
また特集には、まるで昭和映画のような風情のある、撮り下ろしショットも掲載しています。合わせてチェックしてみてください。
昨日、Blu-ray&DVDも発売されたばかりの『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』。そのお供として、CUTもぜひお楽しみいただけると嬉しいです。CUT12月号は、明日11月19日発売です!(山下茜)
CUT12月号は現在以下にてご予約可能です。