英出身の6人組レトロ・ポップ・バンド、ラッキー・ソウル。深夜番組『たけしのコマネチ大学数学科』のエンディング・テーマに“恋はゴージャスに”が起用されており、モータウンや60年代ポップスを彷彿とさせるレトロで温かみのあるサウンドと、紅一点アリ・アワードの歌声に一聴で思わず惚れ込んでしまった方も多いのでは。そのサウンド・クオリティーに対して、本国でも『ラッキーソウルは知っている。フィル・スペクターが神で、ザ・ロネッツとダスティ・スプリングフィールドはビートルズやローリング・ストーンズよりもずっと重要だってことを。純粋で飾らない愛らしさだ』(メトロ 『Lips Are Unhappy』シングル・オブ・ザ・ウィーク)と高い評価をうける彼女らだが、8月22日にアルバム『恋はゴージャスに』をひっさげいよいよ日本デビューを果たす。同アルバムからのリード曲“恋はゴージャスに”の日本版PVには、デザイナーの森英恵の孫であり、モデルとしても活躍中の森泉が出演している。森が出演したPVは日本限定での放送とのことだが、話題性の高さも相まってこの夏、同PVを目にする機会も多そうだ。
また、キュートなガールズ・ヴォイス+レトロでポップなサウンドという、ラッキー・ソウルとの共通点も多いバンドが、今年の夏のフェスをにぎわせる。まず、イギリス、ブライトン出身の女子3人で結成されたザ・ピペッツ。サマーソニックのメインステージに登場予定の彼女達は、8月9日(火)に原宿アストロホールにて単独公演も行う予定だ。8月にアメリカでアルバム・デビューの予定で、日本では10月にデビュー・アルバム『ウィ・アー・ザ・ピペッツ』が発売される予定となっている。ノスタルジックなサウンドはもちろん、アイ・キャッチ度の高いポップでカラフルなルックスやファッションもかわいいと評判。同じく、サマーソニックに出演予定のザ・ロング・ブロンズも、メロはスウィートながら小気味良いガレージ・サウンドとキュートなヴォーカルが醸す軽快感が魅力。女性3人男性2人という男女混合5人組バンド。シェフィールド出身で名門レーベル<ラフ・トレード>から『サムワン・トゥ・ドライヴ・ユー・ホーム』をリリースし、日本でデビューも果たしている。
また、来日公演の予定はないものの8月22日に『アイ・ウィッシュ・アイ・クッド・ハブ・ラブ・ユー・モア』で日本デビューを果たす、キャンディ・ペインもスウィンギン・ロンドンなテイストのムーディなガールズ・ポップをキュートかつアンニュイに歌い上げている。リヴァプールのレーベル<デルタソニック>に所属しており、ザ・ズートンズのドラマー、ショーン・ペインと、スタンズのハウィー・ペインの妹、ということもあって作品も音楽的にディープな奥行きを感じさせる。
大きなムーヴメントにこそなっていないものの、今音楽ファンの間で、じわじわと人気を高めてきている、ガールズ・レトロ・ポップ。デビューの時期が近く、サウンドや存在感になんらかの見出せるというだけでひと括りにしてしまうのは性急すぎるかもしれないが、アーティスト毎に異なる味わいがあるので、是非各アーティストの作品をこの夏は楽しんでみて欲しい。
ガールズ・レトロ・ポップが流行の兆し!?
2007.07.22 14:00