リプレイスメンツ、度重なる再結成要望を却下

リプレイスメンツ、度重なる再結成要望を却下 - 1989年作『ドント・テル・ア・ソウル』1989年作『ドント・テル・ア・ソウル』

アメリカのオルタナティヴ・ロックの元祖ともいわれ、1991年に解散したリプレイスメンツ。今も昔も再結成を望む声が多いが、バンドの面々もまた、どっちともつかない複雑な心境を抱えたままであることをローリング・ストーン誌が伝えている。

再結成の可能性を問われてボーカルのポール・ウェスターバーグは「わかんないなあ。別な日に、俺のことを捕まえてその質問をしたら、『再結成、いいね!』と思ったりもするかもしれないし。トミー(・スティンソン、ベース)はずっと立ち止まらずに活動してきたし、根っからのパフォーマーだからね。でも、俺はもう作家兼アーティストみたいなもんだからなあ。パフォーマンスもやるけど、でも、実際にはやってたって感じだし。だから、わかんないよ」と答えている。

それに再結成といっても、オリジナルのギタリストでトミーの兄だったボビー・スティンソンはすでに1995年に他界していて、ドラムのクリス・マースも完全にアーティストに転身してドラムからはすっかり離れてしまっているというので、なかなか物理的に難しい話でもあるそうだ。ポールによれば、おそらくクリスがツアーに出ることはもうありえないだろうと語っていて、ただ、トミーとならポールもたまに会ってもいて、話した感じでは再結成にはもっと乗り気だとか。ライブをやる必要があるのではないかとポールと語っている。

しかし、現在ガンズ・アンド・ローゼズとソウル・アサイラムのベースを同時に務めているトミーは、やっているライブが多すぎて、必要だなどと言っている場合ではないとポールの話を一蹴し、再結成に乗り気ではないことを次のように説明している。

「やる理由なんてないよ。だってもしやるとしたら、それはギャラが欲しくてやるだけだからね。そこでなにかを捉え直すことなんて絶対にありえないよ。でも、やったらやったで、楽しいかもしれないとは思うよ。一時の楽しみにはなるかもしれないけど、でも、最終的にはやっぱり昔に戻ろうとするとあんまりろくなことにはならないと思う」

ただ、2006年にはコンピ盤のためにトミーとポールで新曲を2曲レコーディングしていて、クリスはドラムは叩かなかったが、バック・コーラスは提供したし、折に触れてみんなで顔を合わせてジャム・セッションをやることもあるのだとトミーは説明する。

「そこからなにかをとかそういう期待とかなしにやってるだけなんだよ。そもそも、お互い嫌いになって解散したわけじゃないからね。言い争いになったわけでもないし。ただ、みんなでバンドから立ち去っただけなんだ。で、その立ち去ったものをまた再訪してみることに必ずしも意味があるとは思えないんだよね」
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