ジャーヴィス・コッカー、ポップ・ソングはもはやその意味を失ってしまったと語る

1998年作『ディス・イズ・ハードコア』

パルプのジャーヴィス・コッカーはポップ・ソングはもはやその意味を失ってしまったと語っている。

ジャーヴィスは音楽は今では「アロマ・キャンドルのようなものになってしまった」と語っていて、もう人々が共感できたり思いを入れ込むことができたりする歌詞を持つポップ・ソングはごくわずかなものになってしまっていると説明している。「そういうものは今じゃほかで調達してきてるんだよ」とジャーヴィスはザ・ガーディアン紙に語っている。「共感できるものなんて別にどこから持ってきたっていいんだからさ。さしずめフェイスブックから仕込んできたりするんじゃないの。よく知らないけどさ」。

ジャーヴィスはさらにこうつけ加えている。

「ポップ・ソングになにかしらの洞察や意味を見出そうとするのはもうあんまり……っていうか、そんな洞察や意味を探しているんだったら、ポップ・ミュージックの前に吟味するべきものはほかに山ほどあるよ。ぼくが子供の頃からポップ・ミュージックが大好きだったせいもあるんだろうね、ぼくとしてはもっとポップ・ミュージックに語ってほしかったんだよ。昔はポップ・ミュージックこそがみんなの関心事だったんだからね。そうじゃなかった? でも、今ではもうそうじゃないんだよ」

また、ジャーヴィスはソーシャル・ネットワークの隆盛以来、音楽は人々の生活の中でそう重要なものでもなくなってしまったとも語っている。「音楽はそういうふうに変わったんだよ。今でもみんなは音楽を聴くけれども、昔ほど生活の中心にはないものなんだ。今じゃアロマ・キャンドルと同じなわけで、ムード作りに重要なアイテムなんだよ」。

「それとながらでいろんなことをやりたがる人が多いから、BGMで音楽が流れていたとしてその歌詞の内容があんまり気になると、メールを打つのとか、やろうと思ってたことに集中できないってことになるんだよ。みんなが今好きなのはちょうどいい感じのノイズなんだよね。でも、脳味噌は音楽の以外のことのためにからっぽにしておきたいんだよ」

なお、ジャーヴィスは先頃シェーフィルドにある母校である高校を訪れ、ジャーヴィスの楽曲でも最初期のものにあたる“Shakespeare Rock”“Life Is a Circle”を披露したという。

“Shakespeare Rock”“Life Is a Circle”を母校で披露するジャーヴィスの動画はこちらから→
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=Pnp-wgZBens


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