パルプ ―― ブリットポップ頂上決戦、その真の勝者は彼らだったのか? 一躍、『コモン・ピープル』で大ムーブメントを巻き起こした1995年、時代の真実に迫る必読インタビュー

パルプ ―― ブリットポップ頂上決戦、その真の勝者は彼らだったのか?   一躍、『コモン・ピープル』で大ムーブメントを巻き起こした1995年、時代の真実に迫る必読インタビュー - rockin'on 2024年9月号 中面rockin'on 2024年9月号 中面

現在発売中のロッキング・オン9月号では、パルプのインタビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。



「正直ちょっと気持ち悪いよ――13年間、僕らは本当に誰からも、これっぽっちも相手にされてなかったのに。
突如として桁外れな成功を手にしてさ、こんなの未だかつてなかっただろう」


「この場所は」、ジャーヴィス・コッカーがもごもごと言った。「言ってみれば食肉処理場みたいなものだね」。私はこれまで、公の場での集まりで、今この瞬間、この場所においてほど当惑した経験はない。1995年のスマッシュ・ヒッツ・アワード授賞式である。

時は日曜の午後、私は、ロンドン・アリーナ[訳注:現在のO2アリーナ]の周囲を何重にも取り囲んで並ぶアノラック姿の14歳の少女たちの列をかき分けながら進んでいた。

当初のプランでは、中華料理店でジャーヴィスにインタビューするはずだったのだが、この案はもはや捨てざるを得なかった。セキュリティからの連絡によれば、ジャーヴィスはこの日の朝9時からこの建物の中に缶詰めになっており、彼をここから出すことは不可能だと言うのである。かくして私は建物内にそっと滑り込んだ。

「パルプ、レディオヘッド、メンズウェア」、ドアにはそう書かれていた。インディーズからのクロスオーバー勢が全部ひとつのドレッシングルームに押し込まれたテイで、室内は素行不良の学生パーティーの会場さながらの光景が展開されていた――無造作に重なり積みあげられた臭気を放つ上着、20本ばかり転がっている空のワインボトル、そしてラガーの缶はどれもタバコの灰を溢れさせている。明らかなカオスであり、救い難い光景だ――結局私はジャーヴィスと、ゴタついているとは言え幾らかマシな上階のケータリングルームで話をすることにした。

パルプの成功には多くの理由があるが、そのひとつにはモリッシーの成功の背景に通じるものがある――莫大な数の文化的非特権階級の有権者たち、とりわけ北部地方の人々の間で共有されている感覚が、珍しくもロンドンを拠点とするメディア的な視点でクローズアップされ、その冴えないくたびれっぷりや、ささやかな憧れ等々、彼らの身近な日常が語られているのだ。

「ああ、そうであればいいけれど、正直なところを言えば、シェフィールドを離れてもう7年になるから、僕の口からそれが真実だと言うのはいささかおこがましいね。まして今年に入ってからは、シェフィールドには一度も行けてないんだ」
(以下、本誌記事へ続く)



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