ピーター・フック、復活したニュー・オーダーの面々への訴訟を起こしているところだと語る

ピーター・フック、復活したニュー・オーダーの面々への訴訟を起こしているところだと語る - ニュー・オーダー 1983年作『権力の美学』ニュー・オーダー 1983年作『権力の美学』

元ジョイ・ディヴィジョン/ニュー・オーダーのピーター・フックはニュー・オーダーのバンド名の使用に関して、ほかのメンバーのバーナード・サムナー、スティーヴン・モリス、ジリアン・ギルバートへの訴訟を起こしていることが明らかになっている。

ニュー・オーダーは2007年にピーター・フックが脱退を宣言し、その後は事実上解散したと伝えられていたが、昨年バーナードら3人はピーター抜きで再結成することを宣言し、ブリュッセル、パリ、ロンドンでそれぞれライヴを行った。今回のラインナップには子育てのためバンドから01年に離脱していたジリアンにとっては10年以上ぶりの復活となり、さらにバーナードと密接に活動してきたギターのフィル・カニンガムとベースのトム・チャップマンが参加している。また、バンドは12月10日にロンドンのザ・トロキシーで行ったライヴの模様を『Live at the London Troxy』として12月21日にリリースしている。

こうした状況について今なにがいえるのかというNMEの問いにピーターは次のように話している。「なにもいえないね。全部弁護士さんたちに今やってもらってることだから。ポイントはね、あいつらは俺抜きでニュー・オーダーだと語っちゃいけないってことで、あとは弁護士たちに任せてあることなんだよ」。

今後、ほかのメンバーと手打ちにする可能性は考えられないのかという問いにはこう答えている。

「それについては舌をつまんでなきゃならないんだけど、こう言ったらどうかな、今の俺はニュー・オーダーを悼んでいるっていうことだよ」

ピーターは今年もピーター・フック・アンド・ザ・ライトを率いてジョイ・ディヴィジョンの『アンノウン・プレジャーズ』の全曲ライヴを含んだジョイ・ディヴィジョンの楽曲群を取り上げたライヴ・ツアーを敢行することになるが、こうしたライヴを始めた当初はファンから突き上げを相当食らって当惑したとも語っている。

「ニュー・オーダーにいた頃はいろいろものの見方が違ってたんだけど、ニュー・オーダーを解散させてからはジョイ・ディヴィジョンについていろいろ考えてみて、なんでジョイ・ディヴィジョンでやってたことは祝福してこなかったんだろうと不思議に思ったんだよな。ジョイ・ディヴィジョンを終わらせると俺たちはすぐにニュー・オーダーにどっぷり漬かることになって、ジョイ・ディヴィジョンがなくなったことを悼むようなことはしなかったんだよ」

「ニュー・オーダーがあった頃にはなにもかもニュー・オーダーに投じていて、それでうまくいってたんだけど、俺にはうまくいかなくなってきて、それから世界中の人々がジョイ・ディヴィジョンを称えてくれるところを見てきたのに、なんで本人である自分たちにはそれができないのかと思ってね。それで俺がやってみたら、途端に俺は極悪人扱いだよ。特に今となってはニュー・オーダーになってるつもりの人たちもいるだけに、すごく妙なもんだよね。でも、俺にはニュー・オーダーが終わってしまったとわかるから、だから、俺はニュー・オーダーを悼んでいるんだよ」

さらにピーターはジョイ・ディヴィジョンについての本も書いていて、じきに書き上がるだろうから9月頃に出版することを明らかにしている。

「ジョイ・ディヴィジョン本を今やっててね、3分の2くらいは終わってて、9月に出すことになってるんだよ。タイトルは『Inside Joy Division』っていうんだ。俺の出生で始まって、イアン・カーティスの死で終わるという構成なんだよ」

ピーターはいまだにイアンの自死についてうしろめたさを感じるというが、今回の出版でそれにも少しは決着がつきそうな気がすると語っている。

「ハシエンダ本(邦題『ハシエンダ マンチェスター・ムーヴメントの真実』)を書いた時、俺はそれまでずっとみんなが悪いと思ってたことについて、実は自分もみんなと同様に悪かったんだなって気づかされたことが多々あってね。でも、ジョイ・ディヴィジョンと特にイアンに関しては、俺はずっと俺が悪かったと思ってきたんだ。つまり、『あそこでいったん休止するべきだった、もっとイアンの面倒を看るべきだった』って思うわけで、確かに自殺は本人が決めてやってしまうことだとはいえ、やっぱりある種の後ろめたさが今もつきまとってるんだよ。それでもこういう本を書いてるのは、執筆を通してイアンがしたことと折り合いをつけてもっとよく理解する道もみつかるかもしれないという気持ちからなんだ」


(c) NME.COM / IPC Media 2012
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする