ビーチ・ボーイズのブルース・ジョンストン、6月リリースの新作はすべて新曲だと語る
2012.04.25 18:25
昨年デビュー50周年を迎え、現存するオリジナル・メンバーのブライアン・ウィルソン、マイク・ラヴ、アル・ジャーディーンを全員含めたラインナップで4月26日から50周年記念ツアーが始まっているザ・ビーチ・ボーイズ。このツアーにあわせて制作していた新作も注目を呼んでいたが、全曲新曲からなる作品を6月にリリースするとメンバーのブルース・ジョンストンが明らかにした。
1965年にブライアンの代役としてツアー・メンバーになり、その後フル・メンバーともなったブルースは、新作が6月5日にリリースされるほか、ブライアンが大半の曲を書いていることを『ビルボード』誌に語っている。「全部新曲なんだよ」とブルースは断ってから次のように続けている。
「ブライアンによるこういう曲が聴きたかったっていうものがたくさん揃ってるんだ。つぎはぎだったり、寄せ鍋みたいな作品じゃないんだよ。『はーい、みんな曲を適当に持ち寄ってきて』っていう、そういうアルバムじゃないんだよ」
さらにブルースはこう説明する。「ブライアンのものがたくさんあるんだよ。それとマイクもね。マイク・ラヴとブライアン・ウィルソンのふたりがまだ元気で一緒に書いているって、それだけでも嬉しいことだと思うよ」
また、ブルースも“She Believes in Love”という新曲をしたためていて、これは元々80年代に取りかかった曲だったと語っている。「85年にみんなと作ったレコーディングからとってきたもので、無駄なところを削ってちょっとソフトにしてみたら、やっといい形になったんだ。でも、収録されるかどうかはまだわからないよ。レーベルが曲を選ぶからで、ぼくじゃないんだよね」。
さらに新作からのファースト・シングルは“That's Why God Made The Radio”という、かなり強烈にビーチ・ボーイズ的なタイトルの曲になるとか。
ブライアンは基本的にビーチ・ボーイズとはアルバム制作のみに参加する形を1996年の『Stars and Stripes Vol. 1』まで続けたが、その後はビーチ・ボーイズのレコーディング作品がなかったこと、さらにソロ活動が軌道に乗るのに合わせてソロ・ツアーも精力的に展開することになったため、ビーチ・ボーイズとの関わりが実質的になくなってしまっていた。
その一方で、ブルースはマイクとビーチ・ボーイズとしてツアー活動を続け、アルも自身のソロを追求していたため、ビーチ・ボーイズに関連したライヴ・アクトは3勢力に分裂した状態が続いていた。さらに90年代以降にはマイクによる訴訟がいくつかブライアンに対して起こされてもいたため、ビーチ・ボーイズのオリジナル・ラインナップが揃うのは難しいのではないかと数年前までは考えられていた。
なお、ブルースによれば、今回の再結成は「1回切りのスペシャル・ツアーでそれでおしまいだよ」とも語っていて、この状態がいつまでも続くものではないとも断っている。ツアーはアメリカからヨーロッパへと展開し、8月には日本公演も予定している。
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