イギリスの大手音楽ソフト販売チェーン、HMVが破産

イギリスの大手音楽ソフト販売チェーン、HMVが破産

イギリスの大手音楽、映像、ゲーム・ソフト販売チェーンのHMVが破産申告を行ったことが明らかになっている。1月13日に発表された声明によれば、HMVは今後「ニック・エドワーズ、ネヴィル・カーン、ロブ・ハーディング、デロイッタ社のパートナー会社各社がHMVと同社系列会社各社の資産管理を行うものとし、同社の株式についてはロンドン証券市場での取引をただちに停止する」ことになったという。『ザ・フィナンシアル・タイムズ』紙によれば、HMVはこれまでに操業を続ける目的でレコード会社、ゲームソフト会社、映画製作会社各社に総額3億ポンド(約444億円)もの融資の養成を行ったが、これを拒否され、今回の破産申告に至ったという。HMVとしては融資を当て込んでいた3億ポンドを債務の返済に充てるとともに、経営刷新の事業資金とする予定だったという。今回の破産よって、場合にはよっては4000に及ぶ職種が失われるとみられているが、デロイット社としては、イギリスだけで250前後の店舗を持つHMVの事業を長期的に見据えていく買い手に同社を売り渡していくことを考えていくという。大都市圏以外では音楽ソフト小売店が減少しているだけに、HMVはあまり知られていないバンドやアーティストが全国的に作品を展開するためにはなくてはならない存在であり続けてきた。実際、ロンドンの繁華街においても、CDやアナログ盤などの音楽ソフトについては、その38パーセントがHMVで取り扱われてきた。『ザ・ガーディアン』紙が伝えるところによれば、経営再建を専門とするカナダのヒルコ社の肩入れを要請することが肝要だとのことで、ヒルコはHMVカナダを2011年に買収し、昨年のクリスマスには4050万ポンド(約59億9400万円)もの売上を記録し、クリスマス・シーズンの営業目標を見事クリアーするところまで業績を戻したという。その一方で経済評論家のロバート・ペストンは次のように分析しているとBBCは伝えている。「事態は先頃経営破綻したほかの販売チェーン店と較べたらまだ楽観的なものになっています。HMVに近い関係者筋によれば、その理由は音楽業界と映画業界がHMVの存続を望んでいるからで、さもないと商品の販売窓口が、数と地域の両面において大きく減ってしまうからです。レコード会社やDVDメーカーにしてみれば、アマゾンやiTunesのみがソフト販売の窓口になることは避けたいわけです。だから、デロイット社としては、HMVをスリム化して経営を再建させることにこうしたメーカー側からの協力も仰げるものと踏んでいるわけです」「ただ、こうしたメーカー側自らがHMVを買収していくことは考えにくい展開です。むしろ、買い手となる企業への便宜を出資という形で図るということになるでしょう」HMVは昨年12月にもこれまで所有してきたライヴ会場関連の資産の一部をロイズ銀行グループに730万ポンド(約9億9300万円)で売却している。HMVは2010年にはライヴ会場運営とアーティスト・マネジメントを手がけるママ・グループを買収してきたが、ここにきてロンドンの有名なザ・ バーフライ、ジャズ・カフェ、あるいはマンチェスター・リッツなどといった会場や、ラヴボックス・フェスティヴァルの興行権などを債務軽減のため売却することに踏み切っていた。また、その半年前にもロンドンを代表する会場のひとつ、ハマースミス・アポロを3200万ポンド(約43億5200万円)で売却していた。(c) NME.COM / IPC Media 2012
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