ロストプロフェッツのイアン・ワトキンス、児童や乳児への性虐待容疑を認める


乳児への性的虐待を含む13件の児童性虐待の容疑を問われていた元ロストプロフェッツのイアン・ワトキンスは11月26日に法廷で行われた罪状認否で罪状を認めたという。

ウェールズのカーディフ刑事裁判所に出廷したイアンは、これまでの罪状認否を翻して罪状を認め、自身が小児性愛者であることも認め、イアンと共に複数の児童性虐待容疑をかけられている女性被告2名も罪状を認めたとニュース・サイトの「ウェールズ・オンライン」が伝えている。女性被告らは被害者となった児童の母親でもあるため氏名は伏せられたままだった。

イアンが乳児に対して冒した強姦未遂行為は2012年4月にイアンがBBCラジオに出演した数時間後にロンドンのシェパーズブッシュにあるホテルの1室で行われ、その様子は録画もされているが、イアンはこの時のことを「思い出せない」としているとイアンの弁護士サリー・ニールが陳述している。映像はイアン名義のオンライン・ストレージに保存してあったものをイギリス政府の情報機関である政府通信本部(GCHQ)がパスワードを解析し、その内容が明るみになったという。

容疑が読み上げられる度にイアンは何度も弁護団の様子を確認しながら質問に応じたという。イアンは生後11か月の乳児に強姦未遂行為を2件行ったことを認めたが、強姦行為を行ったことについては2件とも否定した。さらにイアンは13歳以下の児童への性的虐待を行ったことと女性被告に13歳以下の児童への性的虐待をはたらくように教唆し幇助したことも認めたが、これを認める際、身体を大きく前後に揺らしていたという。

また、13歳以下の児童への強姦行為の共謀を図ったことや13歳以下の児童への性的虐待行為の共謀を図ったことについて認める際には自分の足元を見つめていたという。

さらに昨年8月から12月にかけて児童のわいせつ写真を所有していたことをめぐる容疑数件、2007年から08年にかけて児童のわいせつ写真を撮影したことをめぐる2件の容疑をイアンは認めた。また、イアンは人間が動物と性行為に至っている過激なポルノ写真を所有していたことも認めた。

判決の言い渡しは12月18日に行われるが、イアンが罪状を認めたことから陪審による評決は行われないと宣言され、ジャスティス・ロイス判事は陪審団に「みなさんは極めて生々しく不快な資料の数々を目にする義務は免れました」と伝えた。

なお、公判中イアンが女性被告らに対して「一線を超えたい」というメッセージを送っていたことも明らかになっている。女性被告の一人が「近親相姦と児童ポルノの一夏ね」と返信すると「そうこなくっちゃ」とイアンは応じ、さらに「彼女をすぐにでも調教した方がいい」とも伝えたという。

さらに児童に対してクラックやコカインを与えるだけでなく、「売春させる」という会話も行われたという。

女性被告ら2名は自身の子供らに対する容疑も数件認めることになった。21歳の女性の被告は強姦未遂行為を教唆し幇助したこと、さらに強姦行為を教唆し幇助したこと、13歳以下の児童への性的虐待行為2件、児童のわいせつ写真ならびに児童の淫らなわいせつ写真の撮影を行った容疑を認めた。

24歳の女性の被告は13歳以下の児童への器物挿入による性的虐待容疑を認め、ほかにも13歳以下の児童への性的接触による性的虐待、13歳以下の児童への強姦行為の共謀、13歳以下の児童への性的虐待の共謀、児童のわいせつ写真ならびに児童の淫らなわいせつ写真の撮影を行った容疑を認めた。

クリストファー・クリー検察官はイアンについて陳述の冒頭で「被告イアン・ワトキンスは有名なロック・バンド、ロストプロフェッツのリード・ヴォーカリストでした。被告はまた罪状認否によって、小児性愛を行ったことを確定させ認めています」と説明した。

「被告はこの事件で女性被告らの乳児2名に対して甚大な性的危害を及ぼしています。被告はこうした行為に及んだだけでなく、これらの行為を録画していてその映像は警察によって押収されています」

所轄の警察署長はこの事件を「児童虐待における最も衝撃的で悲惨な事件」だと説明し、もしさらなる被害者や目撃者がいるようであれば警察に一報を入れるように訴えた。

また今回警察の捜査に協力した児童支援団体、全国児童虐待防止協会(NSPCC)のウェールズ代表のデス・マニオンは次のような声明を発表している。

「イアン・ワトキンスが児童虐待の最も深刻で過激な衝動を危険極まりない強迫観念として抱えていたことは明らかです。

世界的に知られる有名人であることから、若い魅力的な女性と知り合いなるのも容易で、こうした女性を自身のおぞましい欲望を満たすために操っていたのです。ワトキンスへの刑期の宣告は、こうした自身の立場の恐ろしい濫用をも踏まえたものになるべきです」

イギリス検察局ウェールズ部の重大事件対応担当責任者カトリン・エヴァンスは事件を「児童への性的搾取事件では最悪のケース」だと語った。

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