3月28日から30日にかけて開催された今年のウルトラ・ミュージック・フェスティヴァルで、28日に殺到した群衆の勢いに負けてゲートが決壊する事件が起き、女性セキュリティ・スタッフの一人が重傷を負っている。
世界的なエレクトロニック・ダンス・フェスティヴァルとして毎年フロリダ州マイアミで開催されているウルトラ・ミュージックだが、今回の事故で28歳のスタッフがフェンスを突破した膨大な群衆に踏みつけられる状態になり、脳出血を起こして危篤状態にあるとマイアミ・ヘラルド紙が伝えている。さらにマイアミ警察署のイグナティウス・キャロル警部補は次のようにマイアミ・ニュー・タイムス紙に事故の状況を語っている。
「群衆の一部がゲートを目がけて突進してゲートそのものを押し込み始めたんですよ。スタッフの彼女は言われた通りに最善を尽くしていて、みんなに押すなと言っていたんですけど、ゲートが押し倒されると彼女はゲートの下敷きになってしまったんです……そのまま全員に踏みつけにされた形ですよ」
さらにキャロル警部補はこの時の群衆はチケットを持っていない来場者でチケット代を払うことなしに入場を試みた結果の事故だったと説明していて「相当な人数になっていましたよ。わたしたちが救い出した時、彼女は地面に臥せって、痛みで叫び声を上げていました」と状況を振り返っている。
これを受けてトーマス・レガルド・マイアミ市長は運営者側が会場の敷地を隔離するフェンスを充分に補強せず、「無責任に事態に応じていた」とフェスティヴァル側を批難していて、28日の開場2時間前の時点で警察は問題のスタッフが被害に遭った地点でフェンスの補強が必要だと指摘していたが、なんの措置も講じられなかったと明らかにしている。
さらにレガルド市長は「来年はウルトラはここでは開催されるべきではないでしょう。こんな事故は起きてはいけないことだったんです」と来年以降の開催が微妙な事態になっていることをほのめかしている。また、警察では殺人課が捜査に当たっているといい、28日の時点で22名が逮捕されたが、15名が重罪、6名が軽犯罪容疑、1名が交通違反を問われているという。
2012年にはスペインのマドリッドで行われたEDMハロウィーン・フェスティヴァルで将棋倒しが発生し、3名の女子が圧死し、2名の女子が重傷を負っている。また、今年のサウス・バイ・サウスウェスト・フェスティヴァルで行われたイヴェントではタイラー・ザ・クリエイターが会場のゲートを突破するように観客をそそのかし暴動を煽ったとしてその後逮捕されることにもなっている。28日のウルトラ・ミュージックではカスケイド、エリック・プライズ、ワカ・フロッカ・フレイム、ティエストらが出演し、およそ16万5千人が会場に詰めかけたと運営側は発表している。