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転換中のサウンドチェックからして既に楽しい。普通だったらヴォーカルのマイクチェックがメインなのだが、ステージから鳴り響くのはトランペットだったりサキソフォンといったホーン楽器ばっかり。本人たちが狙ってやっているわけじゃないけど、日本が誇る最強のお祭りバンド、東京スカパラダイスオーケストラの登場を盛り上げる最高の演出である。なので、青く統一された衣装をまとったバンドがステージに現れたとき、会場の熱気は一気に上昇。早くもフロア全体を揺るがす“ビッグ・ウェイヴ”が幕張に訪れる。それにしても容赦ない。踊れ踊れ、騒げ騒げのセットに一体となったEARTHは無条件に体を動かされる。途中、ビートに乗せて茂木欣一が「Perfume待ってる君らも、来年は東京スカパラダイスオーケストラのライヴを観にきてくれよ!」とMCしていたが、客席を見渡すと「スカパラ・ファン」と「出待ち客(これは迷惑行為なんで絶対に止めてください)」との境界線なんてまったくない。全員が全員、軽快なリズムを全身全霊で堪能しているのだ。その光景は実に美しいし、これぞフェスティヴァル。7月に冷牟田竜之が正式に脱退し、9人編成として再出発したスカパラだが、20年以上の活動歴を誇る大ベテランの“お祭り”はまだまださめることはない。(内田亮)