後方までギッチリ人で埋まったアース1ステージ。照明が落ちた途端、待ちきれないように大きな歓声と拍手が沸きあがる。この夏にはバンひとつでヨーロッパ・ツアーを敢行し、グラストンベリーから小さなライヴ・ハウスまでストイックに回りつくしてまた一段とパワーアップしたスカパラ。この日は、2ヶ月ぶりのライヴであった。 1曲目“SHOT IN THE DARK”からもう全員跳びまくりの踊りまくりで、いきなり最高潮に! メッセ3面をぶち抜いたこの巨大な空間は一瞬にして狂騒のパーティ・フロアへと昇華した。両手を天にかざして踊り狂うオーディエンスたち。みんなの全身から、カウントダウンをただ待つのではなく、自分たちで最高のその瞬間を作り上げるんだという気迫と興奮が立ち昇っている。もちろん、ステージ上のパーティ猛者たちはいつもにまして熱い。“(We Know It’s)All Or Nothing”“5 days of TEQUILA”と一気にトバす。谷中の「今日俺らには使命があるから」「命がけで頑張るから、気合い入れて楽しんでくれよーー!!」という絶叫MCの通り、彼らがこのカウントダウンを特別なモノとして背負ってくれていることがわかる。ソウルと生き様がまんまブロウする、彼らの深くて熱い一音一音が、会場の空気をどんどんなスペシャルでプレシャスに変えていき、場内は来るべき瞬間に向けて天井知らずにエキサイトしていく。オーディエンスの狂騒っぷりが尋常ではない。まるで瞬間ごとにどんどんピークを塗り替えていくかのようだ。3日目の疲れなど微塵も感じさせない。みんな湧き上がる興奮の中で自然に両手を上げ、体を跳ねさせている。 “MONSTER ROCK”まで一気に駆け抜けたところで、MC。時刻は23:55。「ちょっとテンポ速すぎたかな」と苦笑いする谷中。「カウントダウンやってると、いろいろあるんだよ。早く終わっちゃったり過ぎちゃったりさ」とメンバー紹介へ。そして遂にスクリーンに「30」の文字が踊り、カウントダウンが始まる。「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1」の大合唱に谷中の「最高の1年にしてくれよ!!」という絶叫がかぶる。そして遂に、その瞬間が! ステージ上に花火が鳴り響く。「COUNTDOWN JAPAN 03/04」の幕が落ち、「ROCK AND ROLL 2004」という真っ赤な幕が登場! 「おめでとうー! 最高だーー!!」という谷中の叫びと飛び散るシルバー・リボンの中、“Down Beat Stomp”へ突入。僕らは遂にロックで新しい年を迎えたのだ。そしてラスト“スキャラバン”まで会場は、みんなの歓喜を跳ね上げながら激しく揺れ続けた。本当に2ヶ月のブランクなど全く感じさせない、ここにいる全ての人の期待にパーフェクトに応え、魂まで踊らせてしまう圧巻のエンターテインメント・ショー。こんな時間に祝福されて僕らの2004年が始まったことが何よりも誇らしく、嬉しい!(有泉智子) |
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