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今年がメジャー・デビュー10周年のアニバーサリー・イヤーであるGOING UNDER GROUNDが、SEASIDE STAGEにトップバッターとして登場する。「意外とちいさいな」と松本素生(Vo・G)が言っていたが、スタート前にあっという間にオーディエンスと、期待感とでいっぱいに。
「おはよう! GOING UNDER GROUNDはじめるぞー」と松本が声を上げたが、メンバーたちはそれぞれの位置につくわけでもなく、センターマイクの前に並んでいる……?? なにがはじまるのかと思ったら、1曲目は60年代のザ・タイムズのカヴァー曲“So Much in Love”! サポートKeyのHARCOも含めて5人で、アカペラによるハーモニーを聴かせた。そして続く曲は、今のGOING UNDER GROUNDというバンドのムードを凝縮した、“LISTEN TO THE STEREO!!”。いい塩梅の脱力感で好きなことを追求する楽しさと、真剣に自分たちの音楽と向き合い追求している楽しさ、「オトナ」の本気は、シンプルだがかっこいい。その粋なヴァイブに、オーディエンスもがっちり掴まれて、ともに歌い、腕を上げる。
最新アルバム『稲川くん』の曲はもちろん、“グラフティー”や“Holiday”なども披露された。ギター・中澤、ベース・石原ともに、舞台ぎりぎりまで出てつんのめりながらオーディエンスを煽り、ときにモニターに乗って豪快にギター・ソロをかましたり。海のそばで開放的な雰囲気が溢れるステージゆえ、いつになくオープンで、ワイルドな男くささも全開だ。
「今年、こうやってフェスが開催できてよかったよね。こういうひとつひとつが糧になっていくんだろうな」と、松本。ミュージシャンだから難しいことは言わないけれど、と付け足してから、つい最近できた曲と披露されたのが、静かな曲“愛なんて”。多くは語らず、音楽に、歌に、想いを乗せた。
ラストは“トワイライト”。フェスで聴くこの曲はやっぱり格別。まだまだ真昼間にもかかわらず、夕暮れの切なさや、明日・これからへの希望に想いをはせて、思わず胸が熱くなってしまった。(吉羽さおり)