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あのおなじみのビートが流れ始め、フィールド全体から沸き起こった手拍子が合流。そして登場したDragon Ashが聴かせてくれた1曲目は、なんと“陽はまたのぼりくりかえす”。いきなりの必殺ナンバーに、お客さんたちは大喜び。そして、次の曲からは開放的なダンスタイムとなった。パーカッション、ホイッスルが盛り込まれたサンバ風味のサウンドを浴びて、誰も彼もが情熱的に踊りに踊った“For divers area”。陽気な躍動感が満載の“La Bamba”。へヴィなギターリフを主軸にワイルドに駆け抜けた“Bring It”。多彩な音楽のエッセンスを血肉化しているDragon Ashの醍醐味を、存分に体感する。 「おはよう、ひたちなか。少女時代です。ロックフェスは、ロックバンドを愛している皆のものだと信じているぜ」、Kjが語って再び曲へ。大合唱を呼び起こした“Life goes on”。曲中での「飛び跳ねろ!」というKjの煽りを受けて、すさまじいタテノリで皆が踊った“AMBITIOUS”。叙情的なメロディをかみ締めつつ、サビで大爆発するあの展開がやっぱり最高だった“百合の咲く場所で”。そして、「ミクスチャー・ロックは好きですか!」とKjが叫んで演奏が始まった“Fantasista”が素晴らしかった。エモーショナルなビートを皆で感じながらジャンプしまくったあの一体感は何と表現したものだろう? 「ミクスチャー・ロックが好きなやつ、飛び跳ねろ!」と終盤でKjが我々を煽ったのをきっかけに、ジャンプ、ダンス、クラップ、大合唱……音楽を聴いて我々が本能的に発し得る全ての表現が、曲と一体感したのであった。 「いろんな音楽のジャンルがあって当然。いろんな音楽が好きな人がいて然るべき。でも、できれば次の曲の4分間くらいは、日本のロックバンドが一番だと信じてください」と、Kjが語って始まった“ROCK BAND”では、SATOSHIとKO-JI ZERO THREEがゲストに登場。胸にグッと迫って止まない音楽讃歌であった。また、ラストの曲“運命共同体”を歌う前のKjのMCも印象的だった。「12年間、ここで好きな音楽をやれることを人生で一番誇りに思います。どうもありがとうございます」。今年で12年目を迎えたロック・イン・ジャパン。その全てにDragon Ashは出演してきた。彼らの進化を見つめ続けてきたひたちなかの地に、今年もこうして幸福な風景が生まれている。その感動を皆で実感して聴いた“運命共同体”は、あの場にいた多くの人にとって忘れられない1曲となったのではないだろうか。(田中大)