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いよいよ大トリのグラス・ステージ。ハンドクラップが鳴り響き、聞こえてきたのは“陽はまたのぼりくりかえす”!!! 大歓声の中、Kjの声はいつになく慈愛に満ちて響いてくる。小雨がパラつきだした中投下されたのは“Develop the music”! ラテンの熱きサウンドが蒸した夏の夜の湿気と混ざり合って急速にアドレナリンが噴出する。間髪入れずに“Let yourself go, Let myself go”が放たれ、メロウに観客を酔わせるとそこから“Ivory”! Dragon Ashがもつノスタルジアと情熱が交互に顔を覗かせるという、かつてないほどにアグレッシブなセットリストだ。そして“Palmas Rock”ではUZI-ONEが登場し、“Life goes on”でKjは途中の歌詞を変えて「ひたちなかのみんなありがとう」と歌い、“Luz del sol”ではケツメイシの大蔵が駆けつけて客席を煽り何万というタオルが舞う……この流れ、すごい。さらに“El Alma”のギターの音に合わせて登場したのはなんと武田真治! そこから“Loca Burnin’”に続けて突入、今度はsmorgasのアイニが合流、“Episode4”ではなんと活動休止中のSBKの2MC=SHIGEO&SHUNが登場と、こんなに次々とゲストを迎える豪華なDAのステージは、今まで見たことがない。

「10年前にはこんな最高のパフォーマンスが見れる野外フェスなんてなかったでしょ? この場所のことを歌った曲があるんで、それをやります」と言って“百合の咲く場所で”を熱唱、全力でそれに応えるオーディエンス。そして「携帯電話でもライターでもいいんで、持ってる人掲げてみて」とKjが声をかけると舞台の照明が落ち、携帯の液晶やライターの明かりが何万という点となって浮かび上がる。その光景は信じられないくらい幻想的だった。“静かな日々の階段を”で一度ステージを離れて戻ってきたKjが「ここから見える景色は本当にきれいです」と言うと、「Viva! Viva!」の声が流れ出す。そう、アンコールは“Viva La Revolution”!! 会場中の歓声を全て拾おうとしているかのように、マイクをしっかりと客席に向け続けるKjの目にはいつしか涙が光っていた。Dragon Ashというバンドのもつ全ての要素が余すことなく発揮され、オーディエンスがそれを全身で受け止めた結果の、凄まじい高揚が生まれた素晴しいヘッドライナー・アクトだった。(林敦子)