既に、かなり話題になっているコミックなので、読んだ人も多いと思いますが本当に素晴らしい作品。
『きょうの猫村さん』の、ほしよりこの長編コミックで、『猫村さん』同様に笑えるところがたくさんあるのだが、それが主軸ではない。
親切面した傲慢で無神経な嘘だらけの世界と戦うために、いつでも流せる「嘘の涙」で武装した14歳の少女・逢沢りく。
彼女が苦手な関西弁ワールドにひとりで放り込まれて、翻弄されながらもわからなかった「悲しみ」「傷つくこと」、そして「幸せ」の意味を「嘘の涙」を流す力と引き換えに少しだけ知る。
とてもシンプルなストーリーだけど文学的に優れたコミック作品だ。(古河)