『ゆとりですがなにか』第2話について

今の日本の社会はみんなの損得を合計すると明らかに割りが合わないように感じる構造になっている。
「どっかが割りを食う」
その被害者意識と、それでも何らかの形でこの社会を生きていかなければならないときに心の中に生じるニヒリズムにどう向き合うか。
それでも信じられる正義が残るのかに徹底的に向き合うのが、この宮藤官九郎脚本のドラマ『ゆとりですがなにか』。
特定の世代を攻撃したり擁護する内容ではなく、むしろそんなことばかりが行われている現実の不毛さに立ち向かい、全世代に向けて前向きな答えを導こうとする作品だ。

岡田将生が演じる坂間正和がぱるる演じる妹・ゆとりに「7年勤めてようやく会社に貢献できたかなと思ったらパワハラだってよ! イメージしてねぇよ、こんな社会人生活! でもやるよ兄ちゃんは。今辞めても何にも得るもんねえから。元とるまで辞めねぇよ。だから、おまえもやめんな。元取るまでやめんな」と言い放ったところで彼の正義が見えたが、その正義が本当に試されるのはこれからという暗雲立ち込める展開。

「観ていて辛いし、ストレスが溜まる」という声も聞くが、その何倍ものカタルシスと希望を必ず最後にくれるドラマだと思う。(古河)
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