毎日、嘆くことがいっぱい。
そうじゃない人は、人ごみで歩きスマホしてても周りが自然と避けてくれると思っている人並みに鈍いんじゃないか?
でも、だからと言って眉間に皺寄せたり、俯きがちに生きていくのはヤだよね。
ヤなことと道連れに好きなことまで諦めなきゃいけなくなってしまうのは、もっとヤダ。
というわけで、そんな健全に毎日を嘆くことのできる諸君にロックというリアルなフィクションの魔法をかけてくれるのがユニゾンだ。
メロディも、アレンジも、歌詞も、すべてが一筋縄ではいかない形でできていて、これまでのロックやポップの定石から考えると情報過多じゃないかと思うくらいだが、これぐらいダイナミックに目の前の現実をスクイーズしてくれないと、逃避することなく楽天的な自分でいることはできないのである。
だからユニゾンは、本当に特別なバンドだ。
“シュガーソングとビターステップ”のヒットを経たことで、その特別さが薄れてしまうようなことはないだろうと思っていたが、今日発売のニューアルバム『Dr.Izzy』は、好状況だからこそ、そのユニゾンの特別さを丸ごと生搾りの純度で封じ込めた作品。
ずっとユニゾンを好きな人にとっても、ここで初めて出会う人にとっても最高のアルバムだ。
7月19日発売のCUTでは、2本立てスペシャルインタビューで、アルバム『Dr.Izzy』、そして田淵智也というソングライター、それぞれの核心部に迫っているのでお楽しみに!(古河)