続・『スーパーサラリーマン左江内氏』がある土曜夜っていいね!


エンディングの「左江内ダンス」が何かと話題(福田雄一監督自ら「うん。間違いなく流行らない」とすぐさま呟く感じがいいですね)のドラマ『スーパーサラリーマン左江内氏』。
内容そのものにもどんどん注目が集まっていますが、堤真一の演じる左江内氏が可哀想すぎる、小泉今日子の演じる円子が恐妻すぎてあんまりだ、という意見もよく見かけますね。

藤子・F・不二雄の原作では、このドラマほど円子はフィーチャーされていなくて、福田監督の奥様がそのキャラクターかなり投影されているとのことですが、それも踏まえつつ観て思うのは、ほんと左江内氏は円子のこと大好きだよなということ。
福田監督の円子の描き方には間違いなく愛があるし、左江内氏の描き方には微塵の自己愛もない。
円子の中では円子を中心に世界が回っている。
その理不尽さに嘆きながらも、左江内氏はスーパースーツの力を世の中のために(ときに渋々、ときに自然と)使うと同時に、円子をはじめとする家族のためにも(ときに渋々、ときに自然と)使いまくる。
円子の自己中心的な世界も知らず知らずのうちに大切に守ろうとしている。

そのカッコ悪さもわかっているけれど、本当にカッコ悪い男にならないように、カッコ悪さを(ときに渋々、ときに自然と)引き受ける左江内氏は、藤子・F・不二雄が生み出した普遍的な現代のヒーロー像を福田監督が最新型にアップデートした今、一番新しいヒーローだと思う。

それが僕のような中年のおっさんの願望でなく、どんどん大きく現象化してくれるといいのだが。(古河)
CUT 編集部日記の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする