9月17日より東京公演が始まる、演劇調異譚「xxxHOLiC」。CLAMPによる人気コミック『xxxHOLiC』が舞台化というニュースに、心躍らせた方も多いのではないでしょうか。しかも今回、CLAMPの大川七瀬先生自ら「オールメイル(全員男性キャスト)で舞台化」と企画されたと聞いて、これは取材しないわけにはいかない!と、8月19日発売のCUT9月号にて、壱原侑子役の太田基裕さん、四月一日君尋役の阪本奨悟さんへの対談取材を敢行しました。
僕はオールメイルが初めてで、いろいろなことがほんとに未知なんですけど、歌舞伎やシェイクスピアでもそういう文化はあるじゃないですか。そう考えると男女の違いってあまり関係ないというか、結局演じるほうの意志が重要なんだろうなと思います。性別を超えて演じることで生まれる魅力もあるでしょうし、今から楽しみです(阪本)
そもそも原作自体に物事を断定しない感じがありますよね。断定しないことで受け手も自分で考えるっていう作業が入るわけですけど、その考えるプロセスが大事で。侑子さんも偶然ではなく必然だとは言うけど、基本断定や強要はせず、あとは自分で考えてねってスタンスで、それが境界線のない雰囲気になってる。その意味でも、この作品にオールメイルは合いますよね(太田)
2021年の今、この不朽の名作をオールメイルで舞台化する意味と必然についてはもちろん、侑子と四月一日という、ふたりの関係性についてどのように考えているのかも語ってもらっています。
四月一日って、なんでも毎回しっかり悩むじゃないですか。そういう一生懸命さやまっすぐさが愛おしいのかなと思います。侑子さんはそんな四月一日を愛しているのは間違いないけど、いわゆる恋愛感情ではない、不思議な感じ。ただ、四月一日に会えて、侑子さん自身も豊かになったとは思います。突き放してる感じもするけど、実はすごく情が深い。そういうひと言で言えない部分が大切だなって思いました。セリフのない部分を、目線でどう表現するかだなと(太田)
ふたりは家族に近いのかなと思います。うざいと思う瞬間もきっといっぱいあるけど、それ以上に大切って気持ちが多くて、失いたくないもの。(中略)四月一日も、(侑子さんに対して)「なんだこの変な人は」くらいの印象だったのが、一緒にいるうちに、実は自分の生きる寄る辺として、ものすごく大切になってるんですよね(阪本)
原作をリスペクトしつつ、舞台ならではの表現を追求しようとする太田さんと阪本さんの姿勢から、演劇調異譚「xxxHOLiC」がどのような形で幕をあけるのかがますます楽しみになりました。
また『xxxHOLiC』の妖艶な空気感を感じさせる、ふたりの美と麗しさに迫った撮り下ろしフォトも必見。ぜひ誌面にてご堪能ください!(山下茜)
CUT9月号は現在以下にて購入可能です。