破格の若手ぶりに納得。Alt-Jに英国新時代を見る

破格の若手ぶりに納得。Alt-Jに英国新時代を見る

本日はAlt-Jのライブへ。

若手バンドとしてはセールスや動員においても欧米で破格の存在である彼らが、今なぜ求められているのかよく分かるライブだった。

削ぎ落とされて無駄がない、という形容から思い出されるのは、少し前ならThe XXやJames Blake。最近ならLondon Grammarといったところで、いずれもエレクトロニック・サウンド特有のミニマリズムが特徴のアクト達だ。でもAlt-Jのシンプルなアンサンブルの軸を成すのは、オーソドックスなバンド・サウンドである。なのにギターロックとかポップとかいった枠に収まらないのが興味深いところ。その違いを形成する最も大きい要素は間違いなくメロディだ。彼らの楽曲をインスパイアしたとして日本の固有名詞が出てくるが、非西洋的(東洋的とも言い難い)なスタンダードがそこにある。ずっと遡ればブリティッシュ・フォークだってそうではあるけど、ここ数年、とりわけポップ流行りで「いいメロディ」「キャッチーさ」ばかりが取り沙汰されるなかで彼らのメロディはすごく新しい。そして、それにきっちりと照準を合わせたようにビートが組み立てられているから、最終的にとても心地の良いものに仕上がっている。

今年ブレイクが期待されるYears&Yearsもまさにそうで(こちらはよりポップだが)、英国のサウンドがまたひとつ豊かになっているのを実感させられた。
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