「トイス!」の話 前編


「トイス!」ってありますよね。ポリシックスハヤシくんの。
あれ、ハヤシくんらしくてほんとにいいなあ、と、
こないだの武道館でつくづく思った。

他のバンドでいう「イェー!」や、ドリフターズの「オッス!」と
同じ役割の、あいさつであり、かけ声であり、盛り上げるための
フレーズなわけだけど、何がハヤシくんらしいかというと、
「響きだけが大事、意味はまったくない」
というところだ。

たとえば。清志郎の「愛し合ってるかい!」とか、
矢沢の「ヨロシク!」とかも、役割としては近いけど、
どっちも意味あるでしょ。
というか、どっちも日本語だ。というか、言葉だ。だから、意味がある。
その点、「トイス!」って、言葉じゃない。何語でもない。
だから、なんだかわからない。
かろうじて「ス!」の部分に、「オッス!」の変化形であることが
うかがえるが、「ト」と「イ」の部分には、明らかに何も意味がない。

つまり、「ピッピキピッピッピー!」とか、「カジャカジャグー!」
と、同じなわけです。

まあ「カジャカジャグー」は、「カジャグーグー」のもじりだけど、
意味がない、響きだけ、というのは同じだ。
で、そういうフレーズを持っているミュージシャン、他にはいないと思う。

と、ここまで考えて気づいた。
待てよ。いる。いるわ。しかも似てる。

そうだ。オードリー春日の「トゥース!」だ。
でも、オードリーがオーバーグラウンドに出てくる前から、
ハヤシくんは「トイス!」を使っていた。
だから、ハヤシくんがパクったわけじゃない。
じゃあ春日か。というと、これも違う。
オードリーの2人は、同じ中学高校のアメフト部の同級生だったことは
よく知られているが、「トゥース」は、元々そのアメフト部内での
あいさつだったらしい。
春日が、当時の同級生たちに、「おまえ、自分のギャグにしやがって」と、
責められているのを、テレビで観たことがある。

とすると、この類似性は一体何なのか。
次回へ続く。

なお、ハヤシくんの「トイス!」は、彼が友達と考えた、と
ウィキペディアには書いてありますが、それは見なかったことに
して話を進めます。