夕方のピアノ


香取慎吾が部屋でキリンを飼うとか、そういうちょっと
ありえない設定だと、「CM上の演出です」。
タレントが温泉にタオルを巻いて入るシーンでは、
「撮影のためタオルを使用しています」。
料理をいっぱい作ったりする番組だと、
「撮影後、スタッフでおいしくいただきました」。
挙句、子どもたちが、なんか過酷なことに必死で挑戦する日産のCM、
ほらサンボマスターの「できっこないを やらなくちゃ」が使われてるあれでは、
「専門家の監修のもと、子どもの意志で行っております」。


というふうに、いちいち但し書きや言い訳をつけなきゃならないとするなら、

渡り廊下走り隊
(ユニット名であって、実際には走りません)

と、つけなくてはならないのではないか。


嘘です。そんなこと思いません。
むしろ逆です。
サンボの日産のやつなんて、確か最初は、そんなテロップ、入ってなかったと思う。
つまり、クレームがきたってことなんだと思う。
なんかもう、そういう世の中って、ああ、もう……と、いつもいつも感じているので、
僕は神聖かまってちゃんと日本マドンナが大好き、というところがあります。

前に、かまってちゃんの「夕方のピアノ」の歌詞の、「死ねや佐藤」というフレーズが、
写真展のタイトルになった時、twitterかなんかで、

「死ねとかそういうの好きじゃない」
「そういう言葉を使うべきじゃないと思う」

みたいなつぶやきを見た。

まさに、あんたたちみたいな人の常識や良識が、世界をどんどんつまらなく息苦しくしている、
それをなんとかしたくて、の子はそういう歌を作って歌ってるんだよ。
と思った。


というわけなので、渡り廊下走り隊が、
(ユニット名であって、実際には走りません)
と、つけなくてすんでいるこの状態が、1日でも長く続きますように、
僕は真剣にそう願っています。

写真は「夕方のピアノ」のジャケット。